東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は米国株高を受けて195円高の26,441円で寄り付くと直後に216円高の26,462円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり9円高の26,255円で前場を終えました。54円安の26,192円でスタートした後場の日経平均はまもなくして97円安の26,149円まで下落した後持ち直すと14時過ぎに8円高の26,255円まで戻しましたが、昨日の終値を小幅に上回ったところでは上値が重く結局96円安の26,149円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

カルビー(2229)が3.7%高となりました。エネルギーや原材料価格が高騰していることからスナック菓子やシリアル食品などの価格を9月1日の納品分から引き上げると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。ツルハホールディングス(3391)も7.3%高となりました。中期経営計画で配当性向を50%-70%に引き上げるとし株主還元を強化する姿勢を示したことで大幅高となりました。他のドラッグストアー大手にも買いが波及しウエルシアホールディングス(3141)が3.4%高、スギホールディングス(7649)も一時3.4%高となりました。レンズ製造大手のタムロン(7740)も2022年12月期の中間配当を従来予想の25円から30円に引き上げると発表したことで3.5%高となっています。

また、一時136円台後半まで円安が進み約24年ぶりの円安水準となったことで自動車株が高く、なかでもマツダ(7261)が4.1%高、SUBARU(7270)が3.2%高となったほか、三菱自動車工業(7211)も目標株価の引き上げもあって7.1%高となり、SUBARUと三菱自動車工業が年初来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では半導体設計開発のザインエレクトロニクス(6769)が20.1%上昇しストップ高となりました。独自技術が半導体大手の米エヌビディア(NVDA)の最新機種プロセッサーに導入されたと発表したことで買いを集めました。

一方で三菱商事(8058)が6.0%安となりました。オーストラリアのクイーンズランド州政府が石炭事業にかかるロイヤルティー(資源採掘料)を引き上げると発表したことで石炭事業の収益悪化を嫌気した売りが出ました。西松屋チェーン(7545)も一時2.7%安となりました。気温低下で夏物衣料の販売が振るわなかったことで6月の既存店売上高が前年同月比2.1%減となり2ヶ月連続で前年割れとなったことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は96円安となりました。昨日の米国市場が自律反発狙いの買いが入り大幅高となったことで買いが先行しましたが、節目の26,500円を前に伸び悩むと昨日の終値を挟んで一進一退の展開となり後場に入って売りが優勢となりました。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を控えて様子見ムードが強いなか、時間外の米株価指数先物の下落が重石となりました。そのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院銀行委員会での証言は日本時間の22時30分から行われる予定ですが、FRBの金融政策に神経質な展開が続いているだけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)