米主要株価指数は新型コロナショック直前の高値水準まで下がるか

先週末の米国市場は、株価指数や個別株の先物・オプションの最終売買日が重なるクアドルプル・ウィッチング(日本のメジャーSQ)でしたが、ダウは小幅に続落、ナスダックは反発となりました。日米の金融イベントが通過したことで、日米株式市場の反転上昇を期待したいところですが、米主要株価指数は依然として下値模索のトレンドが続いています。
週明けの日経平均は意外安の展開でしたが、終値ベースでは5月安値を前に踏みとどまっており、大きく崩れた印象はありません。

さて、米株価主要指数ですが、2020年の新型コロナショックで急落する直前の高値まであと一歩に迫っています。下値模索の相場になると私のような予想屋の見通しや下値メドはことごとく打ち破られていくパターンが毎度なのですが、そうはいっても注目したいフシが新型コロナショック直前の高値水準です。

「過去の高値がいずれ安値になる」ことが多いからです。図表で具体的にみていくと、例えば、先週末の終値から新型コロナショック直前の高値まで下げる場合、あとどの程度下げるか。ダウ平均はあと1.6%程度下げると到達します。ナスダックは9.8%程度、S&P500は7.0%程度となります。

【図表1】米主要株価指数の推移(週次)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

仮に、全てが新型コロナショック直前の高値まで下げるとなると、ここから一番深いナスダックが下げ止まるまでは米株は全体的に弱さが残るというシナリオが描けます。そうではなく、一番浅いダウ平均が下値に到達したなら、米株全体が持ち直しに入る想定もできます。いずれにしても、ダウ平均でみると概ね下値に近い水準まで下げたことになり、月末に向けては何らかの変化を感じ取ることができるかもしれません。

日経平均やTOPIXは既に過去の高値まで下げており、足もとの日本株は相対的に底堅い

日経平均やTOPIXも考え方は同じです。ただ、日経平均やTOPIXは3月に安値を付ける局面で、新型コロナショック直前の高値あたりまで下げたことで、過去の高値まではすでに下げている。なので、足もとの日本株の相対的な底堅さはそういった現象面でも説明ができてしまいます。

「過去の高値がいずれ安値になる」というのは、個別株でもよくあるケースなので、参考にする価値はあるでしょう。もちろん、そうはならないケースも多々あります。

例えば、現状の段階で具体的に示すと、そうなりそうなのが村田製作所(6981)(図表2)だったとしたら、そうならなかったのがソフトバンクG(9984)(図表3)です。月足の長いチャートでご確認ください。これからどちらが強くなりそうか? 短期的な瞬発力はともかく、しばらく安心して持てるのは前者の方ではないでしょうか。

【図表2】村田制作所(6981) 分析チャート
出所:マネックス証券ウェブサイト
【図表3】ソフトバンクG(9984) 分析チャート
出所:マネックス証券ウェブサイト