日経平均は保ち合い相場に進展するか

米国株が下げ止まりません。日経平均は5月安値からの上昇に対する押し幅が、どの程度で落ち着くかを見極める局面です。

ただ、6月9日高値(28,389円)からの下落幅が短期間で大きくなっていて、早期に高値を上抜けていくイメージは持ちづらいでしょう。ここから反転上昇となっても、200日移動平均線付近を上限にした保ち合い相場に進展していく可能性の方が高いとみられます。

なお、保ち合いシナリオなら目先の下値余地はまだ残っていると考えた方が良いかもしれません。抵抗帯(雲)下限(26,510円付近)や4月12日安値(26,304円)、3月9日安値(24,681円)を起点に5月12日安値(25,688円)を通る右上がりの支持線、3月25日高値(28,338円)を起点に4月21日高値(27,580円)を通る右下がりの支持線などが下値のフシとなりえることが考えられます。

FOMCによる利上げが濃厚な中、目先の材料はどう動くか

図表は、日経平均の6月相場の過去30年間の平均推移と2022年の配当金支払いの予定額推移です。

【図表】日経平均株価の過去6月相場と2022年の配当金予定支払い額の推移
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
30年平均では6月は横ばい(5月末を100とした場合、100で終わる)のイメージとなりますが、2022年のように6月最初の5日間で2%以上上昇した、過去8年間の平均推移は右肩上がりとなります。

2022年は週明け6月13日の836円安で月初からの上昇は帳消しとなり、月を通して右肩上がりのシナリオは消えました。一方、6月は3月期決算企業の配当金が支払われる時期です。

すべてが再投資にまわることはないですが、買い余力が増すことは確かでしょう。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.75%の利上げの可能性も高くなってきていますが、目先の材料出尽くしとなるかどうかです。

いずれにしても、日経平均は5月安値(25,688円)を割り込まずにいられるかが、3月安値を起点とした上昇波動を維持するカギとなります。