ファーストリテイリングや良品計画など、小売企業は今期好調

先週は小売企業の5月の月次動向が発表となり、2021年からの大幅改善を材料視する場面がありました。

ファーストリテイリング(9983)、良品計画(7453)、すかいらーくホールディングス(3197)、エービーシー・マート(2670)、アダストリア(2685)、ライトオン(7445)、ユナイテッドアローズ(7606)、サイゼリヤ(7581)などの株価が軒並み大幅高の展開となっています。

「小売」といっても、外食やスーパー、百貨店、コンビニ、家具、ホームセンター、ドラッグストア、家電量販店といろいろな業態があり、一括りにするのも難しい業種ではあるのですが、「小売」全体の今期業績は前期よりも増益率が若干高くなる見通しです。

期初の段階で期待値もあるでしょうから、四半期ごとの決算や、特に月次の売上動向などをチェックする必要はありますが、他業種と比べると相対的に今期の好調組に入ります。

小売の業種別株価指数は右肩下がりながらも期待感あり

一方、業種別株価指数の「小売」は、2021年3月に2021年来高値をつけ、そこからは右肩下がりが続いています。業態によって濃淡はあると思いますが、まだまだインバウンド需要に対する不透明感があるとみられます。

訪日外国人数の年別推移をみると、ご存知の通り、2019年のピークから突然的に需要が蒸発した状態が続いていて、本当に回復するのか確信が持てません。上海のロックダウンはようやく解除されましたが、早々に回復するかどうかはまだ疑念が残っています。

あとは、最近の円安や仕入れコストの増加です。円安はインバウンドにとっては一部追い風になると思いますが、全体的には原材料高・輸入コストが重荷になるというイメージの方が強いかもしれません。

さて、そのような中でも、高額品の国内需要が堅調で株価も騰勢を強めているのが百貨店株です。ここからインバウンドが業績上乗せに寄与してきたことが判明すると、業績期待が一段と強まる公算が大きいでしょう。

また、「小売」の業種別株価指数が右肩下がりの中でも、テクニカル面から妙味ありの動き方をしているものも少なくありません。

例えば、外食のすかいらーくホールディングスは13週移動平均線が26週移動平均線や52週移動平均線を上回るゴールデンクロスを示現し、底値圏からの立ち上がりに期待できます。

コメリ(8218)やコーナン商事(7516)などの円安逆風銘柄でも底堅さを維持しており、円高に反転する局面では実力を発揮する可能性が大きいでしょう。

※6月5日の前引けに執筆