決算発表が浮き彫りにした業種ごとの動き

決算発表が5月中盤で一巡しましたが、3月期本決算企業の場合、前期がかなり良かった反動で、今期は増益率が鈍化する、あるいは減益予想の企業は少なくありません。例えば、業種でいうと、「非鉄」、「鉄鋼」、「自動車」、「卸売(主に商社)」などでしょう。

一方、前期は赤字、ようやく黒字転換、ないしは減益で厳しかったけど、今期は黒字転換、ないしは増益、今期は増益率が大きくなる企業もあり、例えば、「小売」、「空運」、「陸運(特に鉄道)」などが該当します。

「卸売」と「陸運」を比較、そこから想定する今後の展開とは

ここでは、この前期と今期の業績推移が対照的な「卸売」と「陸運」を取りあげ、2022年1月以降の株価推移を比べてみました。52週高値・安値をつけた時期も対照的です。

【図表】52週高値・安値が対照的な陸運と卸売(~5/23)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

「卸売」は2022年に入ってから52週高値をつけており、逆に52週安値は2021年前半になります。「陸運」は2021年前半に52週高値をつけ、逆に52週安値をつけたのが2022年に入ってからです。右肩上がりの「卸売」と右肩下がりの「陸運」とでアルファベットの「X」が描かれるほど、対照的な動きになります。

一方、足元では、「卸売」は直近の52週高値を切り下げて始めています。「陸運」は直近の52週下値を切り上げ始めていることに気づきます。

2021年以降から続くトレンドにまだ大きな変化はないですが、2022年後半に向けて当面は、「卸売」は右肩上がりの局面から調整局面入り、「陸運」は右肩下がりの局面から反騰局面入り、といった流れを想定することができます。

たとえ、顕著にそうならなくても、世界景気の減速に敏感な「商社株」よりも、「鉄道株」の方が下値不安は小さいと思います。