東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。325円高の26,753円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで409円高の26,836円まで上昇した後伸び悩むと11時20分過ぎに10円高の26,438円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まるとやや戻し64円高の26,492円で前場を終えました。67円高の26,494円でスタートした後場の日経平均は13時30分過ぎに185円高の26,612円まで上昇した後上げ幅を縮めると結局119円高の26,547円で取引を終えています。一方でTOPIXは下落となりましたが、新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

KDDI(9433)が3.9%高となり上場来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.58%にあたる5700万株と2000億円を上限とした自社株買いと、今後3年間で1兆5000億円を株主還元に充てる方針を発表したことで大幅高となりました。マツキヨココカラ&カンパニー(3088)も16.4%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。市場予想を上回る2023年3月期の営業利益の見通しに加えて、ココカラファインとの経営統合から1周年を迎えたことや前身のマツモトキヨシが創業90周年を迎えることによる記念配当を実施すると発表したことで買いを集めました。スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も8.0%高となりました。主力の家庭用ゲームやスマホゲームなどが好調だったことで2022年3月期の営業利益が前期比で25.5%増となり会社計画や市場予想を上回ったことで買いが膨らみました。近鉄エクスプレス(9375)も17.4%上昇しストップ高となりました。近鉄グループホールディングス(9041)が完全子会社化を目指し1株当たり4,175円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表したことでTOB価格にサヤ寄せする格好で上げ幅を広げました。サントリー食品インターナショナル(2587)もペットボトル入り清涼飲料を値上げすると伝わったことで採算改善を期待した買いが入り一時7.1%高となり年初来高値を更新しています。

一方でホンダ(7267)が4.4%安となりました。鋼材やアルミなど原材料の高騰が利益を押し下げることなどから2023年3月期の営業利益が前期比で減益となる見通しとなり市場予想も大幅に下回ったことで売りが優勢となりました。ヤマハ発動機(7272)も原材料価格の高止まりや部品不足による二輪車事業での生産制約もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で16.9%減となったことで9.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は119円高となりました。ハイテク株に買い戻しが入り先週末の米国市場が大幅高となったことで買いが優勢となりました。しかし、一時は400円以上上昇し25日移動平均線(26,756円)を上回る場面もありましたが、75日移動平均線(26,844円)を前に上値が押さえられると米株価指数先物が下落に転じたことや、日本時間の11時に発表となった中国の経済指標が冴えなかったこともあって上げ幅を縮めました。伸び悩んだことで上値の重さがやや意識されそうですが、明日以降も買いが優勢となった場合には25日移動平均線や75日移動平均線を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはリクルートホールディングス(6098)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には5月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)