【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,160.74  ▼84.96 (5/10)
NASDAQ: 11,737.67  △114.42 (5/10)

1.概況

米国市場は金融引き締めへの警戒感と押し目買いが交錯する展開で高安まちまちとなりました。258ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に506ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ昼過ぎに357ドル安まで下落しましたが、持ち直すと再びプラスとなり180ドル高程度まで上昇しました。しかし、引けにかけて上げ幅を縮めるとマイナスとなり結局84ドル安の32,160ドルで取引を終え4日続落となり前日に続いて年初来安値を更新しています。一方で長期金利の低下を受けてハイテク株に買い戻しが入りS&P500株価指数が9ポイント高の4,001ポイントと4日ぶりに反発し節目の4,000ポイントを回復したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も114ポイント高の11,737ポイントとなりこちらも4日ぶりに反発しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、不動産が2%を超える下落となったほか、公益事業も1%以上下げています。一方で4業種が上げ、情報技術が1%を超える上昇となり、エネルギーも1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではハイテク株に買い戻しが入るなかインテル(INTC)とセールスフォース・ドットコム(CRM)が2%を超える上昇となったほか、マイクロソフト(MSFT)も2%近く上げました。また、アップル(AAPL)とシスコシステムズ(CSCO)も1%を上回る上昇となっています。一方でIBM(IBM)が4%近く下げ、JPモルガン・チェース(JPM)とスリーエム(MMM)も2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高くエヌビディア(NVDA)が4%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%以上上昇しています。さらにホテルチェーン大手のハイアット・ホテルズ(H)が決算で売上高などが市場予想を上回る回復をみせたことで6%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い2.99%となりました。ドル円は130円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)