東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。43円高の26,430円で寄り付いた日経平均はスタート直後にマイナスに転じると昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、まもなくして買いが優勢になると上げ幅を三桁に広げ11時10分過ぎに182円高の26,568円まで上昇し162円高の26,548円で前場を終えました。昼休み中に発表となった日銀の金融政策決定会合の結果を受けて130円台前半まで円安が進んだことで一段高となった後場の日経平均は224円高の26,611円で後場の取引をスタートさせると大引け間際に490円高の26,876円まで上げ幅を広げ結局461円高の26,847円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
キーエンス(6861)が5.0%高となりました。工場自動化の需要を国内外で取り込み、ファクトリーオートメーション(FA)で使うセンサーなどの販売が拡大したことから2022年3月期の営業利益が前期比で51.1%増の大幅な増益となり市場予想も上回ったことで大幅高となりました。富士電機(6504)やアドバンテスト(6857)も市場予想を上回る2023年3月期の営業利益の見通しを発表したことで買われ、富士電機が5.5%高、アドバンテストも4.3%高となりました。11時過ぎに決算を発表したデンソー(6902)も2023年3月期の営業利益の見通しが市場予想を上回ったことで決算発表後に急速に上げ幅を広げ9.7%高となったほか、ルネサスエレクトロニクス(6723)も自動車向けや産業向けのマイコンなどの販売が伸びたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で3.3倍と急拡大したことで5.6%高となっています。一方で2023年3月期に営業増益を見込むものの市場予想に届かなかったZOZO(3092)やオリエンタルランド(4661)が売られ、ZOZOが12.8%安、オリエンタルランドも10.1%安となりました。
また、2023年3月期に営業利益が減益となる見通しを発表したイビデン(4062)や日立建機(6305)も下げが目立ち、イビデンが6.8%安、日立建機も4.8%安となり、イビデンは年初来安値を更新しました。関西電力(9503)も2023年3月期の営業損益が1100億円の赤字となる見通しを発表したことで4.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は461円高となりました。朝方は小幅にマイナスとなるなど一目均衡表の雲の下限(26,467円)を前に伸び悩む場面もありましたが、好決算を発表した銘柄などに買いが入ると上げ幅を三桁に広げました。また、大規模な金融緩和など政策の維持を決めた日銀の金融政策決定会合の結果が12時過ぎに発表されると、市場の一部では政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)や長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)が変更されるとの見方もあったため結果発表を受けてドル円が2002年4月以来20年ぶりの円安となったことで自動車株やハイテク株が買われ後場に一段高となりました。一目均衡表の雲の下限を超えて上げ幅を広げたことから連休明けの展開に期待が高まりますが、大型連休の谷間で動きにくいなかでさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にコマツ(6301)や日立(6501)、京セラ(6971)、村田製作所(6981)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の21時30分には1-3月期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数が発表されるほか、28日の米国ではアップル(AAPL)、インテル(INTC)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、キャタピラー(CAT)、マクドナルド(MCD)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)