【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,451.23  ▼113.36 (4/14)
NASDAQ: 13,351.08  ▼292.51 (4/14)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て反落となりました。市場予想を上回る決算を発表した金融株などに買いが入り63ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に324ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め昼過ぎに一旦マイナスとなりました。下げ渋るとその後150ドル高近くまで持ち直したダウ平均ですが、引けにかけて再びマイナスに転じると結局113ドル安の34,451ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も292ポイント安の13,351ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万8000件増の18万5000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、3月の米小売売上高は前月比0.5%増に止まり市場予想を下回りました。一方で4月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は65.7と前月から上昇し市場予想も上回りました。2月の米企業在庫も前月比1.5%増となり市場予想を上回っています。さらに3月の米輸入物価指数は前月比2.6%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比4.5%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術が2%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスも2%近く下げています。また、一般消費財・サービスと金融も1%を上回る下落となっています。一方でエネルギーと公益事業の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではハイテク株に売りが出るなかセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%以上下げ下落率トップとなったほか、アップル(AAPL)とインテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)も3%近く下落しました。一方でナイキ(NKE)とキャタピラー(CAT)が4%を超える上昇となり、ダウ(DOW)も2%余り上げています。

ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が3%を超える下落となりました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッター(TWTR)を買収すると表明したことで買収資金を確保するためテスラ株を売却するとの観測が出て大幅安となりました。ツイッターはイーロン・マスク氏の買収表明を受けて買いが先行しましたが、投資判断の引き下げもあり2%近く下げて取引を終えています。また、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%を超える下落となったうえ、半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が4%以上下げています。マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)も3%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

聖金曜日の前日で債券市場が短縮取引となるなか長期金利はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が5月の0.5%の利上げについて妥当な選択肢だと述べたことなどもあって0.12%高い2.82%となりました。ドル円は125円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り節目の27,000円や25日移動平均線(昨日時点で27,036円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)