グロース株が優位に転換するか

ウクライナ情勢は予断を許さない状況が続いています。ヘッジファンドによる日本株売りはピークを越した可能性はありますが、ヘッドラインに反応するアルゴリズム売買が相場の変動を大きくする構図は続くことが予想されます。

相場が大きく下げる場面では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による下値買いが支えになりますが、3月入りで持ち合い解消売りなども上値を抑える要因になってきそうです。

一方、これまで比較的堅調だったバリュー株に利益確定売りが強まる反面、売られ過ぎたグロース株の下値を拾う動きがみられるようになってきたようです。前回のコラムで解説したTOPIXのグロース指数をバリュー指数で割った相対チャートからは、まもなくグロース株優位へ転換する可能性を示唆しています。

NASDAQや52週移動平均線が示唆する米国市場の動き

これは米国株市場でも同様です。年初から振り返ると、ダウ平均よりもNASDAQの方が下落率は大きく、ITハイテク株、いわゆるグロース株が下げを主導してきました。それによって、NASDAQは概ね1年間の平均値である52週移動平均線を大幅に下回り、調整色を強めています(図表)。

【図表】NASDAQの推移と52週移動平均線(2010/1/8~2022/2/25)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

また、52週移動平均線からのマイナス乖離率でみると、2月25日はマイナス6%にとどまっていますが、2月22日の段階ではマイナス10%と2010年以降で株価が急落から上昇に転じた水準近くまで拡大し、短期的には売られ過ぎを示唆していました。これが「学習効果」として、週末の大幅上昇につながったと解釈できます。

遠くの戦争は買い、銃声が鳴ったら買え

米・英・カナダ・欧州が国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの一部銀行を締め出す方針を固めたこと、ロシアも軍事侵攻を継続していることから、週明けの東京市場の時間帯は米国株先物が大幅に売られる展開となりました。

朝方はダウ先物が500ポイント程度、NASDAQ100先物が300ポイント程度下げていたと思います。おそらく数日前なら、それを受けて日経平均も大幅に売られていたでしょう。

しかし、実際には押し目買いが優勢でした。金融規制まで踏み込む可能性はすでに織り込んでいたということよりも、先週末にダウ平均が834ドル高と2022年最大の上げ幅となったことが記憶に新しく、売られ過ぎたものは上がる、という「学習効果」が投資家の冷静な判断につながったのでしょう。

相場格言にある「遠くの戦争は買い」、「銃声が鳴ったら買え」、これもある意味「学習効果」に通ずるなら、今は投資にうま味がある局面かもしれません。