【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,312.03  ▼622.24 (2/17)
NASDAQ: 13,716.72  ▼407.38 (2/17)

1.概況

米国市場はバイデン米大統領がロシアが数日内にウクライナに侵攻する可能性が非常に高いと述べたことでウクライナ情勢への警戒感が高まるなかハイテク株から景気敏感株まで幅広い銘柄に売りが出て大幅下落となりました。75ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げ朝方に500ドル安余りまで下落した後下げ渋りましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると引け間際に688ドル安まで下落し結局622ドル安の34,312ドルで取引を終え今年最大の下げとなっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も407ポイント安の13,716ポイントとなり3%近い大幅な下げとなりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万3000件増の24万8000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も16.0と前月から低下し市場予想を下回りました。1月の米住宅着工件数も年率換算で前月比4.1%減の163万8000戸となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、情報技術が3%余り下落したほか、コミュニケーション・サービスも3%近く下げました。また、一般消費財・サービスと金融も2%を超える下落となっています。一方で生活必需品と公益事業の2業種が上げ、生活必需品は1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでもセールスフォース・ドットコム(CRM)が5%以上下げ下落率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)も4%を超える下落となりました。スリーエム(MMM)とIBM(IBM)、ゴールドマン・サックス(GS)も3%以上下げています。一方でウォルマート(WMT)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで4%高となり上昇率トップとなり、シスコシステムズ(CSCO)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで3%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が安く、電気自動車のテスラ(TSLA)が5%余り下げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も4%余り下落しました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も4%近く下げています。半導体株も安く決算で売上高総利益率が横ばいに止まる見通しを示したエヌビディア(NVDA)が7%を上回る下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%以上下げています。クアルコム(QCOM)も3%を超える下落となりました。また、金融株も売られモルガン・スタンレー(MS)が5%近く下げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とシティーグループ(C)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も3%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い1.96%となりました。ドル円は114円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,000円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)