決算発表後の個別企業の株価動向

決算発表した個別企業の株価の反応はまちまちで、バリュー株とグロース株の優劣が見分けづらくなっています。決算発表に対する過剰反応というか、アルゴリズム取引による小刻みにさばかれるプログラム売買に翻弄される状況です。

取引時間中に一本調子に下げる、上げるといった動きは今に始まったことではないですが、決算発表以外の銘柄でも、アルゴリズム取引の存在感が日増しに強くなっている印象です。

週明けは、先週末に決算発表したオリンパス(7733)が12%安、太陽誘電(6976)が9%安となりました。両銘柄とも市場コンセンサスを下回っただけの理由ではないにしても、ここまで売られるような内容でもなかったような気がします。こんなに厳しい反応になってしまうと、この先の決算発表銘柄への警戒感を促すことになります。

グロース株の利幅を狙うか、バリュー株を買い続けるか

さて、東京株式市場では当面は決算以外の主要な材料もなく、上げた株が下がりやすく、下げた株が上がりやすいなど、目先のリターン・リバーサル狙いの売買が増えることが予想されます。

2月中旬以降は、決算内容を踏まえたアナリスト評価が投資判断の材料となります。しかしながら、特にグロース株に関しては従来設定した目標株価から大幅に下振れており、投資判断は据え置きでも、目標株価を引き下げる動きが主流になるでしょう。

そのため、決算発表後もグロース株に対してはカタリスト不足となります。短期的には強烈に下げたグロース株への押し目買いが利幅狙いでは魅力的に映りますが、配当利回りが高い、かつPBRが低いバリュー株への買いを続ける方が有効とみられます。

日経平均は直近安値からのリバウンドが一巡した後の値固めの雰囲気を残している一方、マザーズ指数の動向が小型グロース株全般の値動きを左右する公算が大きいとみています。

週明けのマザーズ指数は2.7%安と再び軟調でしたが、下げが続く場合でも1月27日につけた終値ベースの安値を割り込まず、2月2日の高値を上回っていけるかが重要なポイントになります。要するに、下げ止まるには「ダブルボトム」が必要ということです。そうした流れになるには、もうしばらく時間が必要です。