東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅に3日続落となりました。128円高の27,139円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で182円高の27,193円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めマイナスに転じると9時50分頃から下げ幅を大きく広げ11時10分過ぎに705円安の26,305円まで下落し690円安の26,321円で前場を終えました。
さらに下げ幅を広げ765円安の26,245円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時10分過ぎに966円安の26,044円まで下落した後やや持ち直しましたが、上値は重く結局841円安の26,170円で取引を終え昨年来安値を更新しています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って昨年来安値を更新し、東証マザーズ指数は6.6%安となっています。
2.個別銘柄等
米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて早期金融引き締めへの警戒感が高まるなかグロース株の下げがきつくソニーグループ(6758)が6.7%安となったほか、ソフトバンクグループ(9984)も9.0%安となり昨年来安値を更新しました。株価収益率(PER)の高いレーザーテック(6920)も8.0%安と大きく下げ、東証1部で売買代金トップとなっています。
また、第3四半期決算を発表した銘柄では日本電産(6594)や富士通ゼネラル(6755)などが安く、日本電産は堅調な業績や株主還元策などを好感した買いで一時4.1%高となりましたが、利益確定の売りが出て朝方の買い一巡後にマイナスに転じると下げ幅を広げ6.2%安となり昨年来安値を更新しました。富士通ゼネラルも海上運賃の高騰や部品の調達コスト上昇などが響き通期の営業利益の見通しを下方修正したことで8.7%安となり昨年来安値を更新しています。
さらにサイバーエージェント(4751)も16.0%安となり昨年来安値を更新しました。インターネット広告事業やゲーム事業が好調で第1四半期の営業利益は大幅な増益となりましたが、市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。
一方でファナック(6954)が一時6.8%高となりました。世界的に電気自動車への移行が進みロボットなどで受注に生産が追いつかない状況が続いていることなどから通期の営業利益の見通しを上方修正したことが好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は841円安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)といった重要イベント通過を受けて上昇して始まりましたが、買いが続かず下落に転じると米株価指数先物が時間外で大きく下げるなか米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が改めて意識され下げ幅を大きく広げ昨日に付けた昨年来安値を大幅に更新しました。そのため下値への警戒感が一段と高まりますが、3日間で1,400円以上下げ、25日移動平均線との乖離率もマイナス7.4%まで広がり短期的に売られ過ぎとなっていることから明日以降の自律反発に期待したいところです。
なお、決算発表がスタートしていますが、本日も引け後に信越化学工業(4063)や富士通(6702)、アドバンテスト(6857)、キヤノン(7751)などが決算を発表する予定です。また、27日の米国でもアップル(AAPL)やマクドナルド(MCD)、ビザ(V)などが決算発表を予定しています。さらに日本時間の22時30分には2021年10-12月期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数、12月の米耐久財受注額などの発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)