大学受験には一体どれくらいの費用が必要なのか?

大学入試には、一般入試、総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(推薦入試)などがあり、この数年はAO入試、学校推薦による入試が増えていると感じます。つまり、受験シーズンの前の秋口に受験費用がかかっているのですが、このような受験方式の場合に受験する学校は1校。さほど受験費用の心配はありません。

受験費用がかかるのは、新年を迎えた後から始まる国公立大学の受験と、私立大学の一般受験。一体どの程度お金がかかるのでしょうか。共通テストを受ける場合、3教科以上の受験で1万8,000円、2教科以下で1万2,000円。国公立大学の2次試験は1回あたり1万7,000円、私立大学の一般受験で1校当たり2万5,000円~3万5,000円ほどかかります。

共通試験を受けて国公立の前期・後期を受けるだけで5万2,000円ほどにもなりますし、滑り止めに私立大学を2校受けたとすると、受験費用だけで簡単に10万円を超えてしまいます。

日本政策金融公庫が2020年10月に発表したデータによると、子ども1人あたりにかかる受験費用は国公立大学で30.5万円、私立大学文系で35.5万円、私立大学理系で31.9万円かかっています。

入学しなかった大学への納付金として、国公立では15万円近く、私立では10万円ほどかかっており、大学受験の費用だけ取っても、平均40~45万円ほどかかっていることがわかります。大学受験には、支出を覚悟しないといけません。

大学在学中に必要となる費用の目安とは?

大学に合格すると、1~2週間以内にお金を納めなくてはいけません。納める金額は学校により異なり、入学金、授業料、設備費用を含めた初年度納入金のうちの前期分、または初年度分という大学が多いかと思います。学費は文系、理系という区分だけではなく、その大学により異なります。

国公立大学の場合、入学金は28万2,000円。1年間の授業料は理系、文系に関係なく53万5,800円です。4年間でおよそ243万円の学費が必要です。

私立大学になると、文系の場合は入学金約23万円、授業料約79万円、設備費用約15万円、その他約8万円で、4年間で必要な在学費用はおよそ431万円が目安となります。

私立理系では、入学金約25万円、授業料約110万円、設備費用約19万円、その他約12万円、4年間で約590万円の在学費用がかかります。医学・歯学部などでは、入学金だけでも100万円を超える場合もありますし、初年度納入金は500~700万円が平均となるようです。

学校により金額が異なるので、文系でも年間100万円もかからない学校もあれば、理系で年間200万円もかかる場合もありますが、いずれにせよかなりの支出を覚悟しないといけません。

さらに、教科書代は別途必要ですし、実習などで移動があれば、交通費や実習着などが別途かかる場合もあります。この大学進学費用については、できれば早い段階からコツコツとお金を貯めておきたいものです。

大学進学費用はどのように準備する?

教育費を貯めるには、コツコツと地味な貯金が大切ですが、まだお子さんが小さく、大学進学まで10年以上あるという場合には、つみたてNISAを活用するなど、一部投資を組み入れると効率よく準備することができます。

もちろん、貯金も併用です。教育費が必要な時に経済が落ち込むなどして、せっかく積み立てた投資の評価が悪いと売却するのも心苦しくなってしまいます。そういうときのために、貯金もある程度、持っておいてください。

また、「教育費」という色を付けた貯め方は、あまりお勧めしません。将来に向けた資産形成を考え、その一部を教育費に充てたほうが、柔軟に、効率よく貯めることができます。色を付けるとそれ以外にお金を使いにくくなりますし、目標金額まで貯まらないときも、他の資金から回しにくくなるからです。

我が家の場合、子どもは6人で当時はつみたてNISAのような制度もありませんでした。ですが、教育費やその他将来必要となるであろうお金を作るために、ある程度投資も組み入れつつ、資産形成に取り組み、その中から教育費を捻出しています。

しかも、大学進学については学費の全額を親が負担するのではなく、子どもと話し合い、「あなたが学びたいことに協力する」という姿勢で、親が半分、子どもが半分負担することを目標に、子どもたちはアルバイトなどをしています。もちろん、目標額に届かなくても咎めることはないのですが、自分の責任で大学に行く意識を持ってほしく、そうしています。

ご家庭によっては、奨学金を検討したり、教育ローンを利用したりという場合もあると思います。それらを賢く利用することは良いと思いますが、海外では、大学進学についてはお子さん自身が学費の負担をするご家庭がほとんどだと聞きます。親が一人で負担を抱え込むのではなく、お子さんと分担を話し合うことも、ありなのだと思います。