【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,603.08 ▼6.26 (10/21)
NASDAQ: 15,215.70 △94.02 (10/21)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はIBM(IBM)の急落が重石となり小幅に下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に買い戻しが入り上昇し、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。89ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に166ドル安まで下落した後午後に入って持ち直すと引け間際にわずかにプラスとなりましたが上値は重く結局6ドル安の35,603ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が13ポイント高の4,549ポイントと7日続伸となり9月2日に付けた史上最高値(4,536ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も94ポイント高の15,215ポイントと反発しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の29万件となり悪化を見込んでいた市場予想に反し改善しました。9月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比7.0%増の629万戸となり市場予想を上回っています。一方で10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.8と前月から低下し市場予想も下回りました。9月の米景気先行指標総合指数も前月比0.2%上昇に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやヘルスケア、情報技術などの7業種が上げ、一般消費財・サービスは1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーや金融などの4業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではIBMが決算で売上高が市場予想を下回ったことで9%以上下げ下落率トップとなりダウ平均を1銘柄で90ドル近く押し下げました。また、シェブロン(CVX)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、ダウ(DOW)、キャタピラー(CAT)も1%以上下げ、シスコシステムズ(CSCO)も1%近く下落しています。一方でナイキ(NKE)が2%を超える上昇となり、ホーム・デポ(HD)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、インテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。なお、インテルは取引終了後に決算を発表し10-12月期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が決算で売上高と純利益が四半期として過去最高となったことなどで目標株価の引き上げが相次ぎ3%を超える上昇となっています。さらに特別買収目的会社(SPAC)と合併する形で上場しニューヨーク証券取引所で取引が始まったシェアオフィス大手のウィーワーク(WE)は13%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い1.70%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから大幅安となった昨日の地合いを引き継いで下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を前に下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)