【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,326.46  △482.54 (10/1)
NASDAQ: 14,566.70  △118.12 (10/1)

1.概況

先週末の米国市場は製薬のメルク(MRK)が開発中の新型コロナウイルス経口治療薬の有効性を確認し緊急使用許可を早急に申請すると発表したことで経済正常化への期待が高まったことや、米ISM製造業景況感指数の改善を好感して大幅反発となりました。86ドル高でスタートしたダウ平均は直後に270ドル高余りまで上昇した後伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスとなる場面もありましたが、58ドル安で下げ渋るとプラスに転じ大きく上げ幅を広げ取引終盤には一時646ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局482ドル高の34,326ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も118ポイント高の14,566ポイントとなり6日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

9月の米ISM製造業景況感指数は61.1と前月から上昇し低下を見込んでいた市場予想を上回りました。9月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も72.8と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。8月の米個人消費支出(PCE)も前月比0.8%増となり市場予想を上回っています。一方で米個人所得は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。8月の米建設支出も前月比で変わらずとなり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、コミュニケーション・サービスと素材、金融、情報技術、資本財・サービス、不動産も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました、そのなかでも開発中の新型コロナウイルス経口治療薬の緊急使用許可を申請すると発表したメルクが8%以上上げ上昇率トップとなったほか、ウォルト・ディズニー(DIS)も4%高となりました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)も4%近く上げ、ビザ(V)とIBM(IBM)も3%を超える上昇となっています。一方でウォルマート(WMT)が1%以上下げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった金融のジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ(JEF)が2%余り上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%低い1.46%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)