東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。23円高の28,038円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じると9時40分に65円安の27,949円まで下落しましたが、下げ渋ると前引けにかけて買いがやや優勢となり27円高の28,043円で前場を終えました。

4円安の28,010円でスタートした後場の日経平均は昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局37円安の27,977円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上昇となったほか、新興市場もまちまちで東証マザーズ指数が下落、日経ジャスダック平均が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第1四半期決算を発表したリクルートホールディングス(6098)が10.0%高となり上場来高値を更新しました。米国の経済活動の再開で企業の採用が活発化し傘下の米求人検索サイトの収益が伸びていることなどから1800億円から2450億円とみていた通期の営業利益の見通しを2700億円から3400億円に上方修正したことで買いを集め東証1部で売買代金トップとなりました。

同じく第1四半期決算を発表したJFEホールディングス(5411)も9.3%高となりました。世界的な鋼材需要の回復と需給逼迫による価格上昇などにより通期の純利益の見通しを1300億円から2400億円に引き上げたことで大幅高となりました。マツモトキヨシホールディングス(3088)も食品などに比べて粗利率の高い医薬品や化粧品の売り上げが前年を上回ったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で33.3%増と大幅な増益となったことで6.9%高となりました。

また、サントリー食品インターナショナル(2587)もアジアで飲料販売が好調だったほか、欧州でもワクチン接種が進み業務用需要が回復したことなどから上期の営業利益が前年同期比で69.1%増の大幅な増益となったことで10.5%高となり年初来高値を更新しています。一方でヤマトホールディングス(9064)が5.7%安となりました。第1四半期の営業利益は電子商取引(EC)の荷物が引き続き好調で前年同期比で27.9%増となりましたが、通期予想に対する進捗率が13.4%に止まったことで業績の下振れが懸念され売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は37円安となりました。主力ハイテク株に買い戻しが入り昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を連日で更新したことで買いが優勢となる場面もありましたが、伸び悩むと売りが優勢となるなど昨日の終値を挟んで小幅に上下し方向感に欠ける一日となりました。200日移動平均線(28,016円)や節目の28,000円を割り込んでしまったことで上値の重さが強く意識されそうですが、28,000円や200日移動平均線を回復できずこのまま下回ったままの状態が続くと一段と上値が重くなりそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後には富士フイルムホールディング(4901)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には8月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。さらに週明けには寄り付き前の8時50分に4-6月期GDP速報値が発表されるほか、日本時間の11時に中国で7月の鉱工業生産指数や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)