◆今度の日曜日は父の日である。父の日は、母の日に比べて扱いが軽んじられていると思うのは僕だけだろうか。母の日が近くなると街にはカーネーションの売り場があふれ、贈り物を求める人の姿も目に付く。ところが父の日は、いまひとつ盛り上がりに欠ける気がするのだ。

◆我が家では母の日には僕と娘から妻にプレゼントを渡し、花を食卓に飾って、ささやかながら、それでも普段よりは少しだけ豪華な夕食を家族でともにする。ところが父の日にはそれがない。ないどころか、今度の日曜は妻も娘もそれぞれ友人と出かける予定だから、夕飯は僕一人で食べてくれと言われる始末。父の日など完全に無視されているのである。

◆父親より母親が大事か、これでは逆差別ではないか、とぼやくのはやめにしよう。そもそも子育てについては妻に、つまり母親に任せっきりだ。日頃の感謝は母に向かうのは当然だろう。ただし、これからのお父さんはそんなわけにはいかない。男親も積極的に子育てに関わるのは時代の要請である。

◆男性の育児休業取得を促す改正育児・介護休業法が3日の衆院本会議で可決、成立した。子どもが生まれてから8週間以内に最大4週間の休みを取得できる「出生時育児休業」、すなわち男性版産休の新設を柱とするものだ。これを機に男性も産休をとって子育てにより積極的に関わろう。そうすれば女性の就労もさらに増え、企業に求められているダイバーシティ(多様性)に貢献できる。これからの銘柄選択は、こうした非財務情報も重要なファクターとなる。

◆娘は父の日の前日に生まれた。自分が父親となって迎えた初めての父の日に、これ以上のものはない、生涯最高のギフトをもらった。それから15年、僕は良き父親だっただろうか。父親としての務めをちゃんと果たせたか。父としての務めとは何か。
「父親になることは簡単だが、父親たることは難しい。(ウィルヘルム・ブッシュ)」
様々な想いが胸に去来する、父となって15回目の「父の日」である。