東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。152円高の28,516円で寄り付いた日経平均は直後に79円高の28,443円まで上げ幅を縮めましたが、10時過ぎに212円高の28,576円まで持ち直すと169円高の28,534円で前場を終えました。184円高の28,549円でスタートした後場の日経平均は直後に205円高の28,569円まで上昇した後13時30分過ぎに119円高の28,484円まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと結局189円高の28,553円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える上昇となったことで日本市場でも半導体関連株が堅調でした。半導体製造装置ではレーザーテック(6920)が4.1%高となり、アドバンテスト(6857)も一時3.5%高となる場面がありました。シリコンウエハーのSUMCO(3436)も一時3.3%高となっています。任天堂(7974)も一時3.0%高となりました。東京や大阪など9都道府県を対象にした新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が延長されるとの見方が強まったことから巣ごもり関連として物色されました。川崎重工業(7012)も一時4.0%高となりました。世界初の水素運搬船「すいそふろんてぃあ」の内部を報道陣に公開したことが材料視されました。また、DMG森精機(6141)も国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで5.0%高となっています。

一方でニトリホールディングス(9843)やしまむら(8227)が軟調でした。ニトリホールディングスは5月の国内既存店売上高が前年同月比で3.5%減となったことで一時2.9%安となったほか、しまむらは5月の既存店売上高が前年同月比31.2%増となったものの4月の45.2%増から伸びが鈍化したことで一時1.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は189円高となりました。昨日の米国市場が米長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り上昇したことから買いが優勢となりました。一時上げ幅を縮め節目の28,500円を下回る場面もありましたが、持ち直したことで本日は28,500円を上回って取引を終えました。だた、ここのところ28,500円近辺で上値の重さが目立つだけにここからさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には4月の米新築住宅販売件数や5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)