ここ数年、台風や集中豪雨などの自然災害による被害が増えています。いざ、自分が被災者になってしまったらどうでしょうか?いざというとき、できるだけ困らないように備えはしっかりしておきたいものです。
以前から災害を意識し準備されてきた方も、これから準備したいと思われる方も、2021年こそ、本格的な台風シーズンを迎える前に、ご自身の「備え」を考えてみましょう。
備蓄はどう用意する?無駄にしない備蓄法
災害対策として気になるのは、まず「食」です。災害があるとお店に商品がない映像をテレビで見かけます。大きな被害を受けていない地域でも、物流の都合でお店に商品がない、という状況を経験したことがある人はいるでしょう。
食品を備蓄するにあたり、長期保存可能な「5年保存水」、水やお湯で作れる「アルファ米」などを蓄えておくことを考える人も多いでしょうが、意外と早く賞味期限が来てしまうもの。同様の食材と比べると価格も高めな商品ですから、慌てて飲んだり食べたりするのは本末転倒な気分にもなってしまいます。ならば、日々使うものを回していく形で備えるという方法もあります。
それは、日々の生活にもあれば便利な缶詰やレトルト米、レトルトカレーやスープ、ペットボトルの水などを家庭の常備品として少し多めに備え、食べながら補充しておく方法です。これを「ローリングストック」と言います。
月の食費の一部としてこれらを回していけば、高額なお金をかけずとも「食」の備蓄が維持できます。毎月すべてを入れ替えるのではなく、1つの商品を半年ごとに回すなどサイクルを決め、今月は缶詰、来月はレトルト米というように月ごとに入れ替える商品を変えていくと、飽きることなく、また支出を増やしすぎることなく備蓄もできます。
いざというときに役立つお金の備蓄
お金も、すぐに持ち出せるように準備しておきましょう。いざというときに困らないよう、現金を用意しておくと安心ですね。おつりがない事態も考えて、多少、小銭も用意しておきましょう。金額にすると1人当たり2〜3万円ほど用意すれば良いのではないでしょうか。盗難には気を付けつつ、避難用の袋に入れておくとよいでしょう。
災害時にお金を使う場面は、避難所生活が長くなったときや生活必需品の購入時など、様々にあります。物流が止まってしまえば、買いたくても買えないことにはなってしまうのですが、それでも購入の機会があるかもしれませんから、備えとして持っておくべきでしょう。
また、銀行口座に紐づけているQRコード、デビットカード、クレジットカードなど現金ではない決済手段も持っておきたいもの。特にQRコードは読み取り式でも決済ができるので、停電で他の決済手段が使えない場合でもスマホアプリが動けば利用できます。
予め「災害用」として様々な決済方法を準備するのは大変ですが、普段使っている財布の中から「災害時に持って避難する財布はこれ」と決め、その中に現金を備えておくと良いのではないかと思います。
火災保険を確認。台風被害に対応しているか?
台風による被害は、保険で補償される場合があります。マイホーム購入時などに入る火災保険には、台風被害の補償として、風災補償、落雷補償、水災補償という3つの補償があります。
「風災補償」は台風、旋風、⻯巻、暴風などによって受けた損害の補償で、台風の強烈な風でドアが破損したという場合などが補償の対象に該当します。「落雷補償」は落雷により損害を受けたときの補償で、台風による雷が発生し、家電製品が壊れたという場合なども当てはまります。この2つは一般的に火災保険の基本補償に含まれるものです。
一方、台風で気になる水による災害を補償する「水災補償」は、火災保険によっては付帯していない場合があります。例えば、台風による豪雨で排水があふれて床上浸水したなど、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などによって損害を受けた場合が補償の対象です。
台風被害では豪雨などによる水害がよく見られますから、頼りになる補償であると思います。ですから、ご自分が契約している火災保険の内容を、一度確認しておきましょう。もし付帯していない場合は、あとから追加で付けられる場合もありますので、保険会社に問い合わせてみてください。
災害が起きてから備えては、手遅れです。災害を乗り越えられるだけの備えを、今からしておきましょう。