米ドル/円は米金利次第

先週一時107円半ばまで下落した米ドル/円だったが、今週は反発が目立っている。では、4月に入り、111円手前から続いてきた米ドル安・円高はもう終わったのか。

今週にかけての米ドル/円反発は、金利差との関係が大きかっただろう。先週、米金利低下が一段落し、日米金利差米ドル優位が横這いとなる中で、米ドル/円は結果的にそれを無視した形で上述のように108円割れとなった。

要するに、金利差との関係からすると、一時108円割れとなった米ドル/円の動きは「下がり過ぎ」の可能性があった。その反動が入ったというのが、今週に入ってからの米ドル/円反発の基本ということだろう(図表1参照)。

【図表1】米ドル/円と日米金利差 (2020年12月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

以上の観点からすると、米ドル/円の今後の行方は、米金利次第ということになる。では、その米金利、当面は上昇に向かうのか、それとも下落へ転換するのか。

米10年債利回りの90日MA(移動平均線)との関係を見ると、この間は空前の米金利「上がり過ぎ」の修正が広がってきたといえるだろう(図表2参照)。では、そんな「上がり過ぎ」修正の米金利低下はもう終わったのか、それともまだ「続き」があるのか。

【図表2】米10年債利回りの90日MAからのかい離率 (2020年1月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

経験的には、90日MAから見て行き過ぎた金利の動きは、90日MA前後まで戻ることが多かった。足元の米10年債利回りの90日MAは1.34%程度。その意味では、米金利低下はまだ「続き」が残っている可能性もありそうだ。

折しも、今週から来週にかけて、FOMC(米連邦公開市場委員会)、そして米第1四半期GDP、4月米雇用統計など米金利にも大きく影響しそうな重要イベントが続く見通しとなっているだけに、それらを受けて米金利がどう動くかが、米ドル/円の今後を考える上でも最大の焦点になりそうだ。