日経平均は高値もみ合いが続いています。ここから上を目指すのか、下を目指すのか、それとも横ばいが続くのか? いずれかになるわけですが、一番厄介なのは下を目指す動きでしょう。
月足ローソク足でみると、3月は2月の陽線のレンジに入り込むような足となり、上下に同じ長さのヒゲを伴う陰線コマを形成しました。2月と終値だけを比較すると、29,000円前後の横ばいで終えたことになります。3月の陰線コマを「分岐足」とみれば、4月相場は上か下に大きく動くことが予想されます。
4月に入っても環境は悪くありません。NYダウ平均は2019年まで14年連続で上昇してきました。来週以降、JPモルガン・チェースなど大手金融機関を皮切りに米企業の決算発表がスタートします。決算に対してどのような反応が出るかに注目です。
高値圏で好位置にある米主要指数は5月に向けてラリー相場が続く可能性もあり、中でもIT・テクノロジー関連で構成されるナスダックに追い上げがみられるかがカギとなります。東京市場では底入れムードが少し出てきた、マザーズ市場への動向に影響を与える重要な要素となります。
ただ、そんなに甘くはないような気もします。新型コロナ関連の材料では改めて売られる感じはしないものの、月後半からの決算発表を控え、上値を買う材料も乏しい。決算が終わるまでは、グロース株とバリュー株の日替わり物色を続けざるを得ない。そういった意味では、4月も横ばい想定になると考えた方が説得力はありそうです。
一方、気になるのは、日経平均がすでに高値を付けた可能性が高い点です。2007年の高値(米住宅バブル崩壊で下げる直前の高値)や、2018年から続いた24,000円のフシは、ともに1989年高値から崩れていく過程で形成したもみ合いの中心水準です。
2月に付けた日足の終値ベースの高値30,467円は、1990年4月安値(28,002円)から同年6月高値(33,192円)までの上昇の中値付近に相当し、その意味ではすでに高値を付けた可能性もあります。
日柄面でみると、2月の高値は世界的な金融危機後に付けた2008年10月安値から「149ヶ月」を経過したタイミングでした。振り返ること、2008年10月安値から「149ヶ月」前は、バブル高値からの急落後、1996年6月に戻り高値を付けたタイミングでした。
バブル崩壊後に生じた長期波動による左右対称の「軸」を、2008年10月安値とみる筆者の見方では、対称日柄が合致する2月高値が気になります。4月終値で29,000円前後を大幅に下回るような動きになると、直近2ヶ月間の均衡が崩れ、夏場までは調整が続くことが予想されます。