【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,423.15 ▼308.05 ( 3/23 )
NASDAQ: 13,227.70 ▼149.85 ( 3/23 )
1.概況
米国市場は欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることで世界経済の正常化が遅れるとの懸念が出て反落となりました。39ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、22ドル高で上値が押さえられると昼前には140ドル安程度まで下落しました。その後持ち直すとしばらく小幅安で推移しましたが、取引終盤に下げ幅を大きく広げると結局308ドル安の32,423ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も149ポイント安の13,227ポイントとなり3日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
2月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比18.2%減の77万5000戸となり市場予想を上回る減少となりました。また、2020年10-12月期の米経常収支の赤字額は前期比4.2%増の1885億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げました。そのなかでも素材が2%余り下落したほか、資本財・サービスと金融、エネルギー、ヘルスケアも1%以上下げています。一方で公益事業と生活必需品、不動産の3業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が4%以上下落したほか、ボーイング(BA)も4%近く下げています。また、キャタピラー(CAT)とインテル(INTC)も3%を超える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか空運株が安く、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が7%近く下げ、アメリカン航空グループ(AAL)も6%以上下落しました。デルタ航空(DAL)も5%近く下げています。クルーズ船のカーニバル(CCL)やロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も売られ、カーニバルが8%近く下げ、ロイヤル・カリビアン・クルーズも5%を上回る下落となっています。メディア大手のディスカバリー(DISCA)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて4%近く下げています。
一方で動画配信のネットフリックス(NFLX)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は比0.07%低い1.62%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が2月16日の終値(30,467円)と3月18日の終値(30,216円)をダブルトップとするネックライン(28,743円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)