東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に続伸となりました。日経平均は90円高の29,118円で寄り付き取引開始から5分余りで205円高の29,233円まで上昇した後上げ幅を縮め9時30分過ぎにマイナスに転じると10時過ぎには67円安の28,960円まで下落しましたが、下げ幅を大きく広げることなく底堅さをみせると取引終了まで昨日の終値を挟んで揉み合う展開となり結局8円高の29,036円とほぼ横ばいで取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
ファナック(6954)が3.3%高となりました。海外向けが好調で2月の工作機械受注額速報値が前年同月比36.7%増の1055億円と高い伸びとなったことで買いが向かいました。USEN-NEXT HOLDINGS(9418)も3.1%高となりました。巣ごもり需要の高まりで動画配信サービスが伸びることなどで2021年8月期の営業利益が会社計画の110億円を30億円強上回り前期比3割増の145億円強になりそうで5期連続で最高益を更新する見通しだと伝わったことが好感されました。
また、投資判断や目標株価の引き上げに大きく反応したのがDMG森精機(6141)や大日本印刷(7912)、イーレックス(9517)で、投資判断と目標株価の引き上げを受けてDMG森精機が5.1%高となり昨年来高値を更新し、大日本印刷も投資判断と目標株価の引き上げを受けて7.3%高となりました。イーレックスは目標株価の引き上げを受けて5.2%高となっています。さらに昨日の米国市場でハイテク株に買い戻しが入り半導体株が大幅高となった流れを受けて日本市場でも半導体関連株の一角が高くレーザーテック(6920)が3.7%高となり、アドバンテスト(6857)とディスコ(6146)も2%以上上げています。
マザーズ市場ではアンジェス(4563)が急伸し13.3%高となりました。開発を進めている新型コロナウイルスDNAワクチンの第2/3相臨床試験において関西および関東の8施設で500症例の接種を予定通り完了したと発表したことで買いを集めました。
一方でくら寿司(2695)が7.4%安となりました。第1四半期の営業利益が前年同期比で3割を超す大幅な減益となったことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は8円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買い戻しが入り昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が3.7%高と大きく上昇したことで買いが先行し一時は200円以上上昇しました。しかし、昨日は米国で3年物国債の入札が順調だったこともあって米長期金利が低下したものの今晩に米国で10年物国債の入札を控えていることもあって米長期金利が再び上昇することへの警戒感から様子見ムードが強まりました。一昨日は大幅高から失速し下落に転じ、昨日は後場に買いが優勢となったものの前場は前日終値を挟んで上下する展開となり、さらに本日は朝方の買い一巡後に上げ幅を縮め昨日の終値を挟んで揉み合いました。このところ伸び悩む展開が続いているだけに上値の重さが意識されそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)