【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,961.86  △424.51 (2/24)
NASDAQ: 13,597.97  △132.77 (2/24)

1.概況

米国市場は米食品医薬品局(FDA)がジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のワクチンについて1回の接種でも高い効果があるとして緊急使用を支持したことでワクチンの普及で米経済が正常化に向かうとの期待から上昇し、ダウ平均が史上最高値を更新しました。ダウ平均は37ドル安でスタートすると朝方に116ドル安まで下落しましたが、まもなくしてプラスに転じると大きく上げ幅を広げ午後には一時472ドル高まで上昇しました。結局ダウ平均は424ドル高の31,961ドルと4日続伸となり17日に付けた史上最高値(31,613ドル)を更新して取引を終えています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も132ポイント高の13,597ポイントとなり3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

1月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比4.3%増の92万3000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、エネルギーが3%を超える上昇となったほか、金融も2%高となりました。資本財・サービスも2%近く上げ、情報技術も1%以上上昇しています。一方で公益事業と生活必需品が下げ、公益事業は1%を上回る下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもワクチンの普及で米経済が正常化に向かうとの期待からボーイング(BA)が8%余り上げダウ平均を1銘柄で115ドル近く押し上げたほか、シェブロン(CVX)とゴールドマン・サックス(GS)、ビザ(V)、インテル(INTC)も3%以上上げました。ハネウェル・インターナショナル(HON)も3%近く上げています。一方でホーム・デポ(HD)が3%近く下げ、ウォルマート(WMT)とアムジェン(AMGN)も1%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が高くマイクロン・テクノロジー(MU)が5%近く上げたうえ、クアルコム(QCOM)も3%近く上昇しました。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も6%近く上げています。また、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)は売上高が大幅な増収となり3四半期連続で過去最高となったことなどから時間外で一時一段高となりました。大幅な下げが続いていた電気自動車のテスラ(TSLA)も反発し6%以上上げています。さらにワクチン普及への期待から空運株が高くユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が8%以上上げ、アメリカン航空グループ(AAL)も5%を超える上昇となっています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い1.37%となりました。ドル円は105円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は30,000円の大台を回復しそうで、昨日の下げをどれだけ取り戻せるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)