東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。日経平均は265円安の29,970円と30,000円の大台を割り込んで寄り付きましたが、下げ幅を縮めると30,000円を回復し10時過ぎに66円安の30,169円まで持ち直しました。しかし、戻し切れず下げ幅を広げると再び30,000円を割り込み288円安の29,947円で前場を終えました。下げ幅をさらに広げ361円安の29,874円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に388円安の29,847円まで下落しましたが、切り返すと30,000円を回復し大引け間際に199円安の30,036円まで戻し結局218円安の30,017円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装置関連銘柄が堅調でした。昨日の米国市場の取引終了後に発表された半導体製造装置関大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の決算が市場予想を上回ったことから日本の半導体製造装置企業に対する期待が高まりました。東京エレクトロン(8035)が1.5%高、SCREENホールディングス(7735)が2.6%高、アドバンテスト(6857)が3.3%高、レーザーテック(6920)が2.4%高となりました。さらに工業用ネジ大手の日東精工(5957)が16.4%上昇しストップ高となりました。京都府立医科大学や富山大学などと取り組んできた体内で溶ける医療用の高純度マグネシウム材料の開発が成功したと発表したことが材料視されました。

一方で投資判断や目標株価の引き下げに反応して大きく下落したのがシャープ(6753)やSUMCO(3436)で、シャープが投資判断の引き下げを受けて一時8.1%安となったほか、SUMCOも目標株価の引き下げを嫌気して一時3.6%安となりました。また、指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が10日ぶりに反落となり2.4%安となったうえ、ファナック(6954)も4.1%安となり日経平均を2銘柄で137円押し下げています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は218円安となりました。昨日の米国市場がハイテク株に売りが出て下落となったことから売りが優勢となりました。ファーストリテイリングやファナックの下落の影響もあり一時は390円安近くまで下げ30,000円の大台を割り込みましたが、切り返すと引けでは何とか30,000円を維持しました。今月に入って16日までに2,800円以上上昇していることから一旦は利益確定の売りが出やすいといえますが、一方で押し目買い意欲も強いといえそうです。

なお、日本時間の23時45分には2月の米PMI速報値が発表されるほか、20日の午前0時には1月の米中古住宅販売件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)