【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,493.34  ▼119.68 (2/18)
NASDAQ: 13,865.36  ▼100.14 (2/18)

1.概況

米国市場は米失業保険申請件数が悪化したことが嫌気されたうえ、長期金利が高止まりしていることでハイテク株に売りが出て下落となりました。ダウ平均は54ドル安でスタートするとまもなくして327ドル安まで下落しましたが、ペロシ米下院議長が来週終わりまでに追加経済対策案を下院で成立させると述べたことで午後に入って持ち直し結局119ドル安の31,493ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も100ポイント安の13,865ポイントと3日続落となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件増の86万1000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。1月の米住宅着工件数も年率換算で前月比6.0%減の158万戸となり市場予想を下回りました。一方で2月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.1と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。1月の米輸入物価指数も前月比1.4%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比2.5%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやコミュニケーション・サービス、ヘルスケアなどの9業種が下げ、エネルギーは2%を超える下落となりました。一方で公益事業と一般消費財・サービスの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ウォルマート(WMT)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことや、2022年1月期が減収減益になるとの見通しを発表したことで6%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、ボーイング(BA)も3%以上下げ、ウォルマートとボーイングの2銘柄でダウ平均を110ドル近く押し下げています。また、太陽光パネルのサンパワー(SPWR)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し16%以上下げています。

一方でファミリーレストランのチーズケーキファクトリー(CAKE)が8%以上上げました。決算は大幅減収となり最終赤字に転落しましたが、足元で販売の落ち込みが縮小していることで業績の底入れ期待から買いが優勢となりました。さらに取引終了後に決算を発表した通信計測機器のキーサイト・テクノロジーズ(KEYS)が売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.29%となりました。ドル円は105円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)