本稿執筆現在、大引けまで後30分を残すところだが、TOPIXはおそらく昨年来高値を更新するだろう。日経平均も昨日の300円安が不要だった。週末の今日に400円も上げるなら、なぜ昨日300円も下げたのか。まったくバカバカしいが、これも相場だ。押したところを丹念に拾えば報われる相場がずっと続いている。その意味では押してくれたほうがありがたいとも言える。
昨日の夜、YouTubeライブをおこなった。参加者の質問は、足元のグロース株の調整は一時的か、それともトレンドが完全に転換してしまったものか、という点に集中した。それに対する僕の答えは、世の中のトレンドが変わるような事態になっていないので、一時的だろうというものだった。いまの世界はデジタル・トランスフォーメーションの大きなトレンドの渦中にあり、それは不可逆的な流れである。コロナを経験し一層強まることはあっても、ここで立ち消えになるような話ではない。AIやビッグデータなどDXを中心とした展開は我々の想像を超えるだろう。数年後にはアップルやソニーから自動運転のEVが発売されるかもしれない。そういう時代には、大きな括りの電機でありIT企業が選好され、さらに半導体、電子部品、システムなどの需要は落ちないだろう。
グロース VS バリューの議論はあまり意味がなく、要は循環物色で順繰りに両者とも買われていく。基本的にグロースは金利上昇に弱いとされる。グラフ1の通り、グロース優位の時期は金利と逆相関である。
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だが、昨年夏からの金利の反転上昇期には金利上昇とともに上昇トレンドにあった(グラフ2)。ケースバイケースということだ。
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こうして見ると、今年に入ってからのグロース株の調整は、確かに金利上昇の逆の動きであるが、これまでからすれば過剰反応と言えるだろう。行き過ぎなので、早晩リバウンドするだろう。
そこで、売られ過ぎのグロース株、押し目買いリストを提示する。TOPIX500のグロース株の中で25日移動平均からの乖離率(2/4時点)が5%を超える15銘柄と、5%未満だが良い押し目買いのチャンスと思われる銘柄を追加で10社選んだ。
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何といっても売られ過ぎはエムスリー(2413)だ。昨年のトップパフォーマーだけに調整も大きい。一目均衡表の雲の下限にあるがここで反転できるか。
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だめな場合は200日移動平均まで押すだろう。そこまで待つのも手である。先行して下げたオービック(4684)と日本ペイントHD(4612)は200MAがサポートとなっている。これらはもうエントリーチャンスだと思う。
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ひとつ気を付けたいのは米国のイールドスプレッドだ。現在、3.3%台。過去1年間で最低の水準だ。ここから一段の金利上昇があれば、米国株はいつ急落しても不思議ではない。基本的にゲームストップ株の混乱があれだけ大きな下げになったのも、バリュエーションがかなりいっぱいいっぱいの水準にあるからだ。これだけは要警戒である。
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