【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,982.62 ▼620.74 ( 1/29 )
NASDAQ: 13,070.70 ▼266.46 ( 1/29 )
1.概況
先週末の米国市場は米ネット証券が価格変動の大きい銘柄に対する取引制限を緩和し、個人投資家による投機的な取引が市場の混乱を招くとの警戒感から大幅反落となりました。49ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に410ドル安程度まで下落した後一旦持ち直しましたが、再び下げ幅を広げると昼過ぎには747ドル安まで下落しました。その後やや戻したものの安値圏で推移すると結局ダウ平均は620ドル安の29,982ドルと30,000ドルの大台を割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も266ポイント安の13,070ポイントとなっています。
2.経済指標等
2020年12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減に止まり市場予想を上回りました。米個人所得も前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。また、1月の米シカゴ購買部協会景気指数も63.8と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は79.0と速報値から下方修正され市場予想も下回りました。12月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比0.3%低下の125.5となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、情報技術と資本財・サービス、一般消費財・サービス、生活必需品、金融も2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はマクドナルド(MCD)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が4%を超える下落となったほか、決算が市場予想を下回ったシェブロン(CVX)も4%以上下げました。また、スリーエム(MMM)も4%を上回る下げとなり、アップル(AAPL)とハネウェル・インターナショナル(HON)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が5%安となり、フェイスブック(FB)も2%を超える下落となっています。一方で個人投資家の投機的な取引の対象となっているゲーム専門店のゲームストップ(GME)が68%近く上げたうえ、映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)も53%以上上昇しています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%高い1.06%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
日本市場は米国株安を先週末の大きな下げで既に織り込んでいることから本日は反発してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が先週末に割り込んだ25日移動平均線(27,892円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)