【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,603.36  △300.19 (1/28)
NASDAQ: 13,337.16  △66.56 (1/28)

1.概況

米国市場は前日に機関投資家の空売り残高が多い銘柄が急騰しヘッジファンドの運用成績が悪化するとの警戒感が高まり大幅下落となるなか、米証券取引委員会(SEC)がオプションや株式市場でみられる乱高下を監視しているとの声明を公表し、ネット証券が個人の投機的な買いで急騰していた一部銘柄の取引を制限したことで安心感が広がり大幅反発となりました。ダウ平均は74ドル高でスタートすると大きく上げ幅を広げ午後に一時648ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局300ドル高の30,603ドルで取引を終え6日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も66ポイント高の13,337ポイントとなり3日ぶりに反発となりました。

2.経済指標等

10-12月期の米実質GDP速報値は前期比年率換算で4.0%増となり市場予想と一致しました。2020年12月の米景気先行指標総合指数も前月比0.3%上昇の109.5となり市場予想と一致しています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6万7000件減の84万7000件となり市場予想を上回る改善となりました。一方で2020年12月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比1.6%増の84万2000戸に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融と素材が2%近く上昇したほか、資本財・サービスとヘルスケア、コミュニケーション・サービス、エネルギー、公益事業も1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルト・ディズニー(DIS)が5%以上上げ上昇率トップとなったほか、インテル(INTC)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も4%を超える上昇となりました。一方でアップル(AAPL)が3%を超える下げとなり下落率トップとなりました。決算は市場予想を上回りましたが利益確定の売りに押されました。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで3%を上回る下落となっています。写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営するスナップ(SNAP)は目標株価の引き上げを受けて8%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い1.04%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。また、本日は決算発表の集中日で400社を超える企業が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)