【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,960.00  ▼36.98 (1/25)
NASDAQ: 13,635.99  △92.93 (1/25)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。製薬大手のメルク(MRK)が新型コロナウイルスワクチンの開発を中止すると発表したことでワクチン普及への不透明感から景気敏感株に売りが出てダウ平均は下落となりましたが、決算への期待からハイテク株への買いが続きS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は上昇となり史上最高値を更新しました。7ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げると昼前に432ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと午後に入って大きく下げ幅を縮めました。しかし、戻し切れず結局36ドル安の30,960ドルで取引を終え3日続落となっています。

一方でS&P500株価指数が13ポイント高の3,855ポイントと反発し21日に付けた史上最高値(3,853ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も92ポイント高の13,635ポイントと5日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業が2%近く上昇したほか、生活必需品も1%近く上げています。一方でエネルギーや金融などの4業種が下げ、エネルギーは1%を上回る下落となっています。

4.個別銘柄動向

アップル(AAPL)が目標株価の引き上げを受けて3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。電気自動車のテスラ(TSLA)も同じく目標株価の引き上げを受けて4%高となっています。また、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)は新型コロナウイルスのワクチンが英国と南アフリカで確認された変異種に対しても効果があったとの試験結果を発表したことで急伸し12%以上上げています。日用品大手のキンバリー・クラーク(KMB)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで3%を超える上昇となりました。

一方でクルーズ船のカーニバル(CCL)がクルーズ船3隻の運航を11月まで停止すると発表したことが嫌気され5%近く下げました。同業のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)やノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)にも売りが波及し、ロイヤル・カリビアン・クルーズも5%近く下げたほか、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスも2%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.03%となりました。ドル円は103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで堅調な地合いを維持し日経平均が昨日に続いて高値更新となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)