東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。日経平均は55円安の27,102円で寄り付き80円安程度まで下げ幅を広げた後持ち直すとまもなくしてプラスに転じましたが、37円高の27,196円で上値が押さえられると再び下落に転じ10時50分前には125円安の27,032円まで下落しました。しかし、前引けにかけて戻すと39円安の27,119円で前場を終えました。104円安の27,053円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ13時10分前に156円安の27,002円まで下落した後14時10分過ぎに20円安の27,138円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけて下げ幅を広げ結局102円安の27,055円で取引を終えています。一方でTOPIXが4日ぶりに反発となったほか、新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日は半導体受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが日本に新工場の建設を検討していると伝わったことで東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)、SCREENホールディングス(7735)などの半導体製造装置関連株が買われましたが、本日は半導体ウエハーの検査に用いられるプローブカードという器具を手掛ける銘柄に物色が向かいました。日本電子材料(6855)が5.1%高となったほか、日本マイクロニクス(6871)も一時3.3%高まで上昇する場面がありました。ただ、日本マイクロニクスは後場に下落に転じ0.5%安で取引を終えています。

また、WTIの原油先物価格が約10カ月ぶりに一時50ドル台に乗せるなど原油価格の上昇を受けて国際石油開発帝石(1605)や石油資源開発(1662)が高く、国際石油開発帝石が6.2%高となり、石油資源開発も2.8%高となりました。ばら積み船の総合的な値動きを示すバルチック海運指数の上昇を受けて大手海運株も高く、日本郵船(9101)が4.1%高となり、商船三井(9104)が3.0%高、川崎汽船(9107)も5.5%高となりました。

さらに良品計画(7453)が12月の既存店売上高が前年同月比9.4%増となり11月の6.6%減から増収に転じたことで4.7%高となり、ヤマハ発動機(7272)は外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで4.9%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は102円安となりました。米ジョージア州での上院決選投票の結果判明を前に動きづらいなかで指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)や東京エレクトロンなどの下落が重石となったこともあって続落となりました。しかし、節目の27,000円を前に切り返すと下げ幅を縮めました。押し目買い意欲は引き続き健在のようで、27,000円近辺での底堅さを本日も試す格好となりました。

なお、日本時間の22時15分には2020年12月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、7日の午前4時には12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)