東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日続落となりました。日経平均は107円安の27,151円で寄り付くと取引開始直後に141円安まで下落しましたが、持ち直すと10時前にプラスに転じました。しかし、21円高の27,279円で上値が押さえられると26円安の27,232円で前場を終えました。7円安でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に19円高となった後にマイナスに転じると下げ幅を広げ13時20分前に184円安の27,073円まで下落しましたが、その後戻すと結局99円安の27,158円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

半導体受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが日本に新工場の建設を検討していると伝わったことで半導体製造装置関連が買われました。東京エレクトロン(8035)が2.6%高となったほか、アドバンテスト(6857)が4.8%高、SCREENホールディングス(7735)が4.1%高、ディスコ(6146)が2.6%高、レーザーテック(6920)が4.0%高となりました。東京エレクトロンとディスコ、レーザーテックが上場来高値を更新し、アドバンテストも昨年来高値を更新しています。

さらにペプチドリーム(4587)が急伸し9.4%高となり昨年来高値を更新しました。2020年12月期の業績予想を上方修正し53億円以上としていた営業利益の見通しを67億円に引き上げたことが好感されました。明電舎(6508)も4.2%高となり昨年来高値を更新しました。電気自動車向けのモーターやインバーターなどの販売を伸ばし2025年3月期をめどに売上高営業利益率を2021年3月期見通しの2倍の水準の6%に引き上げることを目指すと伝わったことで期待が高まりました。また、安川電機(6506)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.7%高となり昨年来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は99円安となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスの感染拡大が重石となるなか、米ジョージア州の上院議員選の決選投票を前に持ち高調整や利益確定の売りが出て反落となったことで売りが優勢となりました。半導体関連株などハイテク株の買いに支えられて小幅に上昇する場面もありましたが、米ジョージア州の上院議員選の決選投票を控えて積極的に動きづらかったこともあり後場には一時180円以上下げました。その決選投票ですが残り2議席とも民主党が獲得し上院も民主党が制すると大型経済対策による国債増発で長期金利が急上昇し株価にマイナスといった見方もあることからその結果が注目されます。

また、日本時間の6日午前0時には2020年12月の米ISM製造業景況感指数の発表も予定されておりこちらも注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)