【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,999.26  ▼69.55 (12/10)
NASDAQ: 12,405.81  △66.86 (12/10)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は追加の経済対策で与野党協議が難航していることを嫌気して続落となりましたが、主力ハイテク株の一角が買われたことでナスダック総合株価指数は反発となりました。36ドル安でスタートし取引開始直後に191ドル安まで下落したダウ平均はその後持ち直しましたが、前日終値近辺で上値が押さえられると一日を通してマイナス圏での推移が続き結局69ドル安の29,999ドルで取引を終え30,000ドルの大台を割り込んでいます。また、S&P500株価指数も4ポイント安の3,668ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は66ポイント高の12,405ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から13万7000件増の85万3000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.2%上昇し市場予想を上回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比1.6%上昇し市場予想と一致しています。11月の米財政収支の赤字額は前年同月比30.4%減の1452億6600万ドルとなっています。さらに欧州中央銀行(ECB)は政策理事会で資産購入の特別枠を1兆3500億ユーロから1兆8500億ユーロへと5000億ユーロ増額し資産購入の期限も2021年6月末から22年3月末へと延長することなどの追加金融緩和を決めています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや素材、公益事業などの8業種が下げ、資本財・サービスは1%近く下落しました。一方でエネルギーと金融、情報技術の3業種が上げ、エネルギーは3%近く上昇しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が3%を超える上昇となったほか、トラベラーズ(TRV)とアップル(AAPL)、セールスフォース・ドットコム(CRM)、ボーイング(BA)も1%以上上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とIBM(IBM)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、スリーエム(MMM)が1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、スターバックス(SBUX)が1株利益の見通しを据え置いたことが好感され5%近く上げました。また、ナスダック市場に上場した民泊仲介大手のエアビーアンドビー(ABNB)は公開価格(68ドル)の2.1倍となる146ドルで初値を付けると一時は165ドルまで上昇する場面もありました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い0.91%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)