【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,883.79  △59.87 (12/2)
NASDAQ: 12,349.37  ▼5.74 (12/2)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は追加の経済対策や新型コロナウイルスワクチン実用化への期待などから続伸となり、S&P500株価指数は史上最高値を更新しましたが、利益確定の売りに押されてナスダック総合株価指数は反落となりました。ダウ平均はADP全米雇用リポートが市場予想を下回ったことなどから128ドル安でスタートすると直後に224ドル安まで下落しましたが、持ち直すと下げ幅を縮め前日終値近辺で揉み合う展開となりました。しかし、引けにかけて買いが優勢になると結局59ドル高の29,883ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数も6ポイント高の3,669ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5ポイント安の12,349ポイントとなっています。

2.経済指標等

11月のADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数は30万7000人増に止まり市場予想を下回りました。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が大半の地区で緩やかに拡大したものの、一部の地区では横ばいだったとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが3%を超える上昇となったほか、金融とコミュニケーション・サービスも1%以上上げました。一方で5業種が下げ、素材と不動産が1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が5%余り上げたほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%を超える上昇となりました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)とシェブロン(CVX)、ゴールドマン・サックス(GS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上上げています。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)が8%以上下げダウ平均を1銘柄で130ドル以上押し下げました。決算は市場予想を上回りましたが、ビジネス対話アプリのスラック・テクノロジーズ(WORK)を買収すると発表したことが嫌気され売りが膨らみました。マクドナルド(MCD)も2%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)がアマゾン・ドット・コム(AMZN)のクラウド部門との提携拡大を発表したことで1%以上上昇し上場来高値を更新しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.93%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか高値警戒感があることもあって日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)