【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  29,483.23   △44.81  ( 11/19 )
NASDAQ:  11,904.71   △103.11  ( 11/19 )

1.概況

米国市場は追加経済対策の協議再開への期待から3日ぶりに反発となりました。ダウ平均は67ドル安でスタートすると米新規失業保険申請件数が悪化したことや新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気して直後に210ドル安まで下落するなどマイナス圏での推移が続きましたが、民主党上院トップのシューマー院内総務と共和党上院トップのマコネル院内総務が追加の経済対策の協議を再開することで合意したと伝わると取引終盤にプラスに転じ結局44ドル高の29,483ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も103ポイント高の11,904ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万1000件増の74万2000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。一方で11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は26.3と前月から低下したものの市場予想を上回りました。10月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比4.3%増の685万戸となり市場予想を上回りました。10月の米景気先行指標総合指数は前月比0.7%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、一般消費財・サービスなどの9業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で公益事業とヘルスケアの2業種が下げ、公益事業は1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%近く上げたほか、ウォルマート(WMT)も2%高となりました。シェブロン(CVX)とインテル(INTC)、ボーイング(BA)も1%以上上昇しています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%余り下落し、ウォルト・ディズニー(DIS)とアムジェン(AMGN)も1%以上下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、決済サービス大手スクエア(SQ)が目標株価の引き上げを受けて3%以上上げました。また、百貨店大手メーシーズ(M)が2%を超える上昇となりました。大幅減収だったものの市場予想ほど落ち込まなかったうえ、ネット通販強化のための物流拠点の拡充を進めていることが好感されました。さらにS&P500株価指数への採用を好感した買いが続き電気自動車のテスラ(TSLA)も2%以上上昇し上場来高値を更新しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い0.83%となりました。ドル円は103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が小幅な上昇に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか3連休を控えた週末ということもあって様子見ムードの強い一日となりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)