【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,783.35  ▼167.09 (11/17)
NASDAQ: 11,899.34  ▼24.79 (11/17)

1.概況

米国市場は米小売売上高が市場予想を下回り消費減速が懸念されるなか利益確定の売りが出て3日ぶりに反落となりました。ダウ平均は150ドル安でスタートするとまもなくして430ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと取引終盤には78ドル安まで下げ幅を縮めました。しかし、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局167ドル安の29,783ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント安の11,899ポイントとなっています。

2.経済指標等

10月の米小売売上高は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。また、10月の米輸入物価指数も前月比0.1%低下し市場予想を下回りました。米輸出物価指数も前月比0.2%上昇に止まり市場予想を下回っています。一方で10月の米鉱工業生産は前月比1.1%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も72.8%と前月から上昇し市場予想を上回っています。11月の全米住宅建設業協会(NAHB)の米住宅市場指数も90となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、生活必需品などの9業種が下げ、公益事業は2%安となりました。一方でエネルギーと不動産の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

アマゾン・ドット・コム(AMZN)が処方薬のネット販売を始めたと発表したことでドラッグストア株が売られ、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が9%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。CVSヘルス(CVS)も8%を超える下げとなり、ライト・エイド(RAD)は16%を上回る下落となっています。また、処方薬の価格比較サイトを運営するグッドアールエックス・ホールディングス(GDRX)は22%以上下げています。さらにホームセンター大手のホーム・デポ(HD)が2%を上回る下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが、人件費など追加の費用負担への懸念が重石となりました。一方でS&P500株価指数への新規採用が決まった電気自動車のテスラ(TSLA)が8%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い0.85%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けてやや売り優勢でのスタートが予想されます。短期的な過熱感も意識されるなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)