東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は8日続伸となりました。日経平均は89円高の25,439円で寄り付くと節目の25,500円を上回り取引開始から40分弱で238円高の25,587円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると109円高の25,459円で前場を終えました。92円高でスタートした後場はさらに上げ幅を縮めるとまもなくして下落に転じましたが、33円安の25,316円で下げ渋ると再び買いが優勢となり大引け間際に180円高の25,530円まで戻し結局171円高の25,520円で取引を終え年初来高値を更新しています。一方でTOPIXは小幅に下げ8日ぶりに反落となっています。また、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

国内大手証券が目標株価を引き上げたことでファーストリテイリング(9983)が一時2.5%高まで上昇し上場来高値を更新しました。引けは1.9%高となり日経平均を1銘柄で53円押し上げています。ファナック(6954)も3.2%高となり年初来高値を更新しました。10月の工作機械受注(速報値)が前年同月比5.9%減となり9月の15.0%減からマイナス幅が縮小したことで買いが優勢となりました。また、昨日の引け後に上期決算を発表し通期の営業利益を60億円から120億円に引き上げたアマダ(6113)も5.2%高となっています。

一方で上期の営業損益が178億円余りの赤字となった三越伊勢丹ホールディングス(3099)が5.0%安となりました。他の百貨店株にも売りが波及し、高島屋(8233)が4.8%安となり、J.フロント リテイリング(3086)も4.7%安となりました。電通グループ(4324)も第3四半期3カ月間の営業損益が102億円を超す赤字となったことで8.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は171円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均は小幅反落となりましたが、このところ下げが目立っていたハイテク株に押し目買いが入りナスダック総合株価指数が大幅高となったことから買いが優勢となりました。節目の25,500円を回復しましたが、高値警戒感から一時は下落に転じる場面もありました。この8日間での上げ幅が2,500円以上と上昇スピードが速く、25日移動平均線との乖離率も7.1%まで広がっていることから一段と短期的な過熱感が意識されそうです。

なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にみずほフィナンシャルグループ(8411)や住友不動産(8830)、日産(7201)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)