一日で4円値幅を往復した米ドル/円
米大統領選挙の投票が3日行われた。ところで、前回、2016年の米大統領選挙の投票日は11月8日だったが、時差の関係で開票が進む日本時間の9日は、歴史的な大逆転劇が演じられ大乱高下の主舞台となっただけに、本4日の値動きも注目度が高まりそうだ。
よく知られているように、2016年の大統領選挙では、開票が進む中で、「まさかのトランプ勝利」の可能性が高まることで、事前の一般的な見方に沿って株も米ドルも暴落に向かった。11月9日、105円台で取引が始まった米ドル/円は、ずるずると101円まで下落した。米国のエリア・マップが、共和党のシンボル・カラーのレッドが広がる中では、100円割れすら通過点に過ぎないムードが広がっていた。
ただそんなムードは、世界のマーケットのメイン取引が、アジアから欧米に移る中で豹変に向かった。欧米株価が軒並み上昇に向かう中で、米ドル/円も踵を返し、この日のNY市場終値では105円台を回復、僅かではあったものの寄り付きを上回る「陽線引け」となったのである。
結局、この日の米ドル/円は約4円の値幅を往復する大相場となった。そして、結果的な米ドル大逆転の「陽線引け」は、後から振り返ると、その後の1ヶ月半程度で、118円まで米ドル一段高、「トランプ・ラリー」と呼ばれた大相場の始まりだったのである。
さて、あの日から4年過ぎたものの、まだ「トランプ・ラリー」大相場の記憶も強く残っていると思われるだけに、大統領選挙後の相場の動きはしばらく注目されることになるのではないか。