大きく下落したユーロ/米ドル、豪ドル/米ドル

先週、ユーロ/米ドルは大きく下落、1.17ドルを割り込んできた。これは、欧州のコロナ感染者が拡大する中で、29日のECB会合で追加緩和を示唆したと受け止められたためなのか。ただ、そんなユーロほど独自の売り材料があったようでもなかった豪ドルも、大台0.7ドル割れ近くまで続落となった。

ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルに共通するのは、この数ヶ月NYダウなど米国株と順相関の関係が続いてきたこと(図表1、2参照)。その意味では、先週、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルが大きく下落したのは、NYダウなど米国株が大きく下落した影響が大きかっただろう。この関係がこの先も続くなら、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルの行方は、米国株次第ということになる。

【図表1】ユーロ/米ドルとNYダウ(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】豪ドル/米ドルとNYダウ(2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

その米国株、NYダウは90日MA(移動平均線)を小幅ながら下回ってきた(図表3参照)。また、ナスダック指数は、7~9月には90日MAを20%程度も上回っていたが、ほぼ90日MAの水準まで下落してきた(図表4参照)。

【図表3】NYダウの90日MAからのかい離率(2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表4】ナスダック指数の90日MAからのかい離率(2010年~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

NYダウ、ナスダック指数とも、90日MAとの関係でいえば、ここまでの下落は「上がり過ぎ」が是正される動きだったが、ここからさらに下落するようなら「下がり過ぎ」を拡大することになる。

「上がり過ぎ」是正で、米国株安もそろそろ一段落するのか、それとも「下がり過ぎ」を拡大する形で株安が続くのか。そんな米国株の動向が、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなど米ドル・ストレートの行方を決めることになりそうだ。