東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。日経平均は247円安の23,170円でスタートすると寄り付きを安値に下げ幅を縮める展開となり11時過ぎに148円安の23,270円まで戻し156円安で前場を終えました。130円安の23,288円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮める展開となり14時10分過ぎに44円安の23,374円まで持ち直しましたが、プラス圏には戻し切れず引けにかけて下げ幅をやや広げ結局86円安の23,331円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落しています。

2.個別銘柄等

昨日の引け後に決算を発表し通期の業績予想を上方修正した銘柄に上昇するものが目立ちました。ソニー(6758)が新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の拡大を受けゲーム事業が好調で通期の営業利益の見通しを6200億円から7000億円へと引き上げたことで6.7%高となったうえ、小糸製作所(7276)も通期の営業利益を240億円から370億円に引き上げたことで6.2%高となりました。そのほか営業利益の上方修正に踏み切った大日本住友製薬(4506)や日立(6501)なども高く、大日本住友製薬が6.9%高、日立が4.3%高となりました。また、新型コロナウイルスの感染拡大で急減した建機需要が足元で徐々に回復していることで通期の営業利益を1150億円から1340億円に引き上げたコマツ(6301)も朝方に一時4.3%高まで上昇する場面がありましたが、上げ幅を縮めると1.2%高で取引を終えています。メルコホールディングス(6676)も20.5%上昇しストップ高となりました。上期の営業利益が前年同期比で29%余りの増益となったことに加え、自社株買いを発表したこともあり買いを集めました。

一方で上期の営業損益が49億円を超える赤字となったぐるなび(2440)が一時19.8%下落しストップ安となる場面がありました。引けは17.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は米国株安を受けて86円安となりました。25日移動平均線を割り込んだ翌日に下げが続いたことで印象はよくありませんが、昨日の米国市場でダウ平均が943ドル安となった割に日経平均は底堅く小幅な下げに止まりました。そのため明日以降の切り返しに期待したいところですが、反発となった場合には25日移動平均線(23,455円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後にパナソニック(6752)やアドバンテスト(6857)、ファナック(6954)、京セラ(6971)、東京エレクトロン(8035)などが決算を発表するほか、29日の米国でもグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やツイッター(TWTR)、アップル(AAPL)、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)などの主力ハイテク企業が決算を発表する予定です。

また、日本時間の21時30分には7-9月期の米GDP速報値や米新規失業保険申請件数が発表されるほか、21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)