【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  26,519.95   ▼943.24  ( 10/28 )
NASDAQ:  11,004.87   ▼426.48  ( 10/28 )

1.概況

米国市場はフランスやドイツなどで行動制限が強化されたことや、米国での過去1週間の新規感染者数が過去最多となるなど欧米で新型コロナウイルスの感染が再び深刻化していることを嫌気した売りで大幅下落となりました。361ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に880ドル安程度まで下落すると一旦下げ渋りましたが、引けにかけて一段安になると引け間際に965ドル安まで下落し結局943ドル安の26,519ドルで取引を終え4日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も426ポイント安の11,004ポイントと反落となっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術とエネルギー、コミュニケーション・サービスが4%以上下落したほか、一般消費財・サービスと資本財・サービス、ヘルスケアも3%を超える下げとなっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はトラベラーズ(TRV)を除く29銘柄が下げました。そのなかでも10-12月期の売上高見通しが市場予想を下回ったマイクロソフト(MSFT)が5%近く下落したほか、ビザ(V)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、アップル(AAPL)、ナイキ(NKE)、ボーイング(BA)、キャタピラー(CAT)も4%以上下げています。また、ウォルト・ディズニー(DIS)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、コカ・コーラ(KO)も4%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったマスターカード(MA)が8%余り下げました。さらに主力ハイテク株も安くグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とフェイスブック(FB)が5%以上下げ、電気自動車のテスラ(TSLA)も4%を上回る下落となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も4%近く下げています。

一方でゼネラル・エレクトリック(GE)が決算で1株損益が赤字を見込んだ市場予想に反して黒字を確保したことで4%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い0.77%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り75日移動平均線(昨日時点で23,100円)を引けで維持できるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)