米国株「サイクル・トップ」の主因
為替、とりわけユーロ/米ドルなどドルストレートと高い相関関係が続いてきた米国株は、NYダウが26日一時1,000ドル近くも急落するなど、これまでのところ今月上旬で循環的な高値、「サイクル・トップ」をつけた形となっている(図表1参照)。これは、追加的な景気対策の、大統領選挙前といった早期実現への期待が後退したためなのか。
【図表1】過去半年のNYダウの日足チャート (2020年5月~)
ころで、6月以降の米国株のサイクル・トップは、6月初め、9月初め、そして10月中旬だった。共通したのは、米金利が大きく上昇し、株式の益回りの優位性が後退した局面ということだった。
NYダウ益回り/米10年債利回りを見ると、6月以降は5倍を割り込んだ翌週にサイクル・トップをつけるパターンが続いてきた(図表2参照)。以上のように見ると、今週にかけて米国株反落拡大となったのは、追加景気対策への期待後退がきっかけとしても、本質的には、米債券利回り上昇に伴う株式益回りの優位性後退だろう。
【図表2】NYダウ益回り/米10年債利回り (2018年~)
米金利上昇に、米国株がナーバスになり始めている可能性は注目されるところではないだろうか。そんな米国株は、ユーロ/米ドルなどドルストレートと高い相関関係が続いてきた。その意味では、為替の行方を考える上で、今回米国株と米金利の関係を考察した次第だ。