小動きから大相場へ米ドル/円の「豹変」

105円台中心に、方向感のない展開が続いてきた米ドル/円だったが、21日は105円を大きく割り込む動きとなった。これまで何度か書いてきたように、米大統領選挙年の米ドル/円は、方向感のない小動きが、選挙前後から急に一方向への大相場へ「豹変」することが続いてきただけに、21日の動きも気になるところだ。

それにしても、過去の米大統領選挙年の米ドル/円「豹変」の一つの目安は、90日MA(移動平均線)からのかい離率が±2%以上に拡大することだった。「豹変」の典型例ともいえる、2000年も、2012年も、同かい離率が±2%を大きくブレークすると、そのままかい離率は基本的に±2%以内に戻らず、むしろ±5%以上への急拡大に向かった(図表1、2参照)。

【図表1】米ドル/円の90日MAからのかい離率 (2000年4月~2001年6月)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】米ドル/円の90日MAからのかい離率(2012年4月~2013年12月)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

足元の米ドル/円、90日MAは106.2円程度。従って、これを2%下回る水準は104円程度、逆に2%上回る水準は108.3円程度といった計算になる。以上からすると、この先、104円割れ、または今の水準からすると「距離」があるものの、108.3円以上に米ドルが上昇した場合は、改めて米大統領選挙年の米ドル/円「アノマリー」が注目される可能性がある。

過去の経験を参考にすると、それは当面における戻らない円高、または戻らない円安といった一方向への大相場の始まりの可能性があるだけに注目する必要があるだろう。