今週は国内では28日が9月中間期末の配当権利付き売買の最終日、29日が落ち日となる。落ち分は日経平均で144円、TOPIXで13.7ポイント程度か。30日の大引けでは日経平均株価の入替で日化薬(4272)が除外され、ソフトバンク(9434)が採用される。経済指標は30日に8月の鉱工業生産、1日に短観の9月調査が発表される。短観の市場予想では、大企業・製造業と非製造業の景況感はともに改善が見込まれている。

米国では29日に米大統領選挙の第1回候補者テレビ討論会が行われる。経済指標は29日に消費者信頼感指数、30日にADP全米雇用リポート、シカゴPMI、10月1日に米ISM製造業景況感指数、2日に雇用統計と重要指標の発表が目白押し。NFPの市場予想平均は93万2500人増と前月の137万1000人増から伸びが鈍化する見通しだ。このほか経済指標では中国で9月30日に9月の製造業と非製造業の購買担当者指数PMIの発表が注目される。

最大の注目点は、29日の共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領による第1回候補者討論会だとの声があるが、日本株には直接影響はないだろう。それを受けた米国株の反応次第だが、このところの日本株は米国株が大きく下げてもそれほど追随しない。米国株はすでに調整済みで下値はそれほどないだろう。あるとすればトランプ大統領が巻き返して米国株がポジティブに反応するパターンだろう。

28日の権利付き売買最終日を迎えた後は、配当狙いの買いがなくなるため、欧米のコロナ感染拡大や、米国の追加経済対策の協議難航などを背景に上値が重くなるとの見方が多い。それがメインシナリオだろうが、下値も菅政権の改革期待で支えられるだろう。配当落ち分を即日埋めるか注目される。ストラテジーレポートで書いた通り、マザーズなどの新興株や小型株優位の展開が続きそうだ。

先週は4連休のため東証の投資部門別売買状況等の公表日程が後ろ倒しになった。月曜日の引け後に9月第3週(9/14~9/18)分が発表になる。この週は菅氏が自民党総裁に選出され臨時国会で首相指名を受けた、菅政権誕生の週である。この週、海外投資家がどう動いたか、投資部門別売買状況で確認したい。海外投資家の買い越しが確認できればその後の市場センチメントもポジティブなものになるだろう。

今週の予想レンジは2万2800円~2万3500円とする。