緊急事態宣言が解除されてから、再び新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあり、私たちは暮らしの中でどう行動するべきか迷いがちです。

家計についても同様に迷っている方が多くいらっしゃいます。実際、私のところへ家計相談にくる方も増えてきています。自粛期間中に、物資の不足や巣ごもり消費でのまとめ買い、ネット注文による決済方法の変化などで発生した家計の乱れを改善したい人が増えているのです。

そこで今回は、この家計の乱れを修正し、お金をしっかり貯めていくための「家計の見直し方」をお伝えします。

注目すべきは「変動費」

緊急事態宣言に伴う外出自粛により、これまで外出することでかかっていた支出は減り、巣ごもり消費や買いだめ、ネットショッピングなどによる支出が増えています。何かを新しく契約して固定費を増やすというよりは、店舗での飲食料品や日用品、ネットショッピングでの衣料、装飾品の購入、外食代わりのデリバリーなどへの支出が増えた傾向があります。

つまり、ポイントは「変動費」なのです。そこを徹底して見ていく方法をお伝えします。

変動費を見る場合、無闇に記録するのではなく、スマホのQRコード、クレジットカード、電子マネー、現金など複数ある決済方法での支出をわかりやすくすることが必要です。そのためにも、次のように支出の「見える化」をしていきましょう。

(1)食費や日用品代など、気になる変動費の費目を定めて集中的に記録してみる。
(2)1ヶ月のレシートを取っておくなど、支出状況が分かるようにしておく。
(3)支出を現金、電子マネー、クレジットカードなど決済手段別に分けて把握する。

固定費については、通帳などで支払いの記録が後からでも確認できますから、とりあえず今は気にしないでください。変動費に集中です。

自分で「支出が増えすぎている」「管理が難しいかも」と思う変動費の費目を集中して記録するとよいでしょう。

記録はすっきり、簡単に

記録をしてみるといっても、自分流にわかりやすい記録の仕方が見つからない場合は、ひとまず手書きのメモ帳に書いていきましょう。少々手間ですが、支出が格段にわかりやすくなります。細かいことは抜きに、「何にいくら使ったか」だけを書くのです。

例えば、
タクシー/ ●2200円
飲み会1次回 / ★4000円
コンビニ(お菓子)/ ■500円

このように書き、金額前のマークに意味を持たせます。●はクレジットカード、★は現金、■はスマホ決済というように。これだけで断然ラクになります。

こうすると、残高確認の方法も簡単です。これを継続していると、自分なりの方法で少しずつ改善していくことができるでしょう。

支出管理は、要領よく、労力かけずに

変動費を記録しても、利用する決済方法が多いと管理が大変です。自分が一番よく使う決済方法を2~3種類だけ残し、それ以外は思い切ってカットすると、支出管理がかなり楽になります。お金の流れを把握しやすくなり、支出の把握もより容易になるでしょう。

管理することで自分がよく行く店なども把握しやすくなるので、持つべきポイントカードも明確になるでしょう。そうなると、財布に入れるべきものが少なくなり、小さな財布で十分だと思えるようになるかもしれません。

このように、把握しにくいことで増えがちだった支出を整えると、支出する金額も小さくなっていくでしょう。自分にとって「必要な支出」、「必要ではない支出」もよく見えるようになります。

家計管理の基本的なあり方は変わりませんが、これから先の暮らしが豊かであるために、必要な整理整頓はぜひ、取り入れていただきたいものです。