【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 25,605.54 △477.37 (6/12)
NASDAQ: 9,588.81 △96.08 (6/12)
1.概況
先週末の米国市場は前日に急落した反動で大幅反発となりました。ダウ平均は531ドル高でスタートするとまもなくして837ドル高まで買われましたが、その後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ昼過ぎに49ドル安まで下落する場面もありました。しかし、取引終盤に持ち直すと結局477ドル高の25,605ドルで取引を終え4日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も96ポイント高の9,588ポイントと反発しています。
2.経済指標等
6月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は78.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。また5月の米輸入物価指数も前月比1%上昇し市場予想も上回りました。一方で5月の米輸出物価指数は前月比0.5%上昇に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、不動産と金融が3%以上上昇したほか、エネルギーも2%を超える上昇となりました。資本財・サービスと素材も2%近く上げています。一方で公益事業と生活必需品の2業種が下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が11%以上上げダウ平均を1銘柄で150ドル近く押し上げたほか、ダウ(DOW)も5%高となりました。レイセオン・テクノロジーズ(RTX)も4%高となり、ゴールドマン・サックス(GS)も4%近く上げました。シェブロン(CVX)とIBM(IBM)、シスコシステムズ(CSCO)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%を上回る上昇となっています。一方でウォルマート(WMT)とインテル(INTC)、メルク(MRK)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が下げ、ウォルマートは2%近く下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では旅客需要に回復基調がみられると発表したアメリカン航空グループ(AAL)が16%以上上げています。ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やデルタ航空(DAL)にも買いが波及し、ユナイテッド航空ホールディングスが19%高、デルタ航空が12%近く上げています。ソフト大手のアドビ(ADBE)も決算が大幅増益となり1株利益が市場予想を上回ったことで5%近く上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い0.70%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の日本市場が米国市場の大幅高を見込んで大きく下げ幅を縮める展開となったことから新たな買い材料に乏しいため本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は11時に中国で鉱工業生産や小売売上高などの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)