52週MA、0.67ドルに接近してきた豪ドル/米ドル
豪ドル/米ドルが3月に記録した安値、0.55ドルから反発が続き、足元で0.65ドルを超えてきた。これを受けて、足元0.67ドル程度の52週MA(移動平均線)に接近してきた(表1参照)。
【図表1】 豪ドル/米ドルと52週MA(2010年~)
経験的に、下落トレンドが続く中での一時的な反発なら52週MA前後までがせいぜい。一方で、52週MAを大きく超えてくるなら反発は一時的ではなく、すでにトレンドが底を打って上昇に転換した可能性が強くなる。その意味では、豪ドル/米ドルは、反発がそろそろ終わるか、さらに一段と広がるか、重大な岐路に差し掛かっている可能性がありそうだ。
豪ドル/米ドルのここまでの反発は、一つには「下がり過ぎ」の反動があっただろう。90日MAからの乖離(かいり)率を見ると、一時はリーマン・ショック以来の「下がり過ぎ」となっていた(図表2参照)。
【図表2】 豪ドル/米ドルの90日MAからの乖離率(2000年~)
そしてもう一つは「売られ過ぎ」の反動。CFTC統計の投機筋のポジションは足元でもなお豪ドル売り越しが続いている(図表3参照)。
【図表3】 CFTC統計の投機筋の豪ドル・ポジション(2012年~)
代表的な資源国通貨である豪ドルが、過去1ヶ月余り、原油相場の歴史的暴落が展開したことを尻目に反発してきたのは、上述のような「行き過ぎ」の反動で一応説明できる。その上で、そろそろ反発も終わりが近いのか、それともまだ「道半ば」なのか。52週MAとの関係で見ると大きな分岐点に差し掛かった可能性がありそうだ。