東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は新たな売り材料に乏しいなか大幅高となった昨日の地合いを引き継いで大幅続伸となりました。日経平均は97円高の19,047円と節目の19,000円を上回ってスタートしましたが、直ぐに下落に転じると下げ幅を広げ取引開始から35分で219円安の18,730円まで売られました。しかし、持ち直すと10時過ぎに再びプラスに転じ前場は89円高の19,039円で取引を終えました。20円高の18,970円でスタートした後場は後場寄り直後に32円安と再びマイナスとなる場面もありましたが、下げ幅を広げることなく直ぐに持ち直すと13時過ぎから一段高となり大きく上げ幅を広げる展開となりました。14時50分過ぎに504円高の19,454円まで買われた日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局403円高の19,353円で取引を終え4日続伸となっています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が3日続伸となっています。

2.個別銘柄等

日経平均が大幅高となるなか寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)が7.7%高と大きく上げ、日経平均を1銘柄で119円余り押上げました。エムスリー(2413)も投資判断の引き上げを受けて11.8%高となり上場来高値を付け、日経平均を34円余り押上げています。また、カシオ計算機(6952)も投資判断と目標株価の引き上げを好感して3.6%高となっています。さらに外出自粛や在宅勤務の増加で買いだめ需要が強まるとの見方からディスカウント店の業務スーパーを展開する神戸物産(3038)が7.0%高となり上場来高値を更新しています。

一方で日本製鉄(5401)が新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に鋼材需要が低迷しているため国内2基の高炉を4月中旬から順次休止すると発表したことで3.3%安となりました。厳しい環境が改めて意識されJFEホールディングス(5411)もつれ安となり4.3%下落しています。また、リソー教育(4714)が政府の緊急事態宣言を受けて首都圏の塾を当面休校にすると発表したことで5.5%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

昨日の日経平均は25日移動平均線を上回ったものの、節目の19,000円を引けで回復できませんでした。しかし、本日は一時200円以上も下げながら25日移動平均線を前に切り返すと19,000円を大きく上回って一時は19,500円まであと45円余りまで迫る場面もありました。このため先週の調整一巡から再び戻りを試す展開との期待も高まりそうで、明日も上昇となれば節目の19,500円や3月下旬に付けた戻り高値(19,564円)を超えられるかがポイントとなってきそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)