風景が全く変わってしまいました。アメリカは世界で起こる様々な問題を、対岸の火事的に見られる地理的優位性と経済的優位性を持っていましたが、今回ばっかりはそうでもないかも知れません。軍事力も使いようがありません。感染者数も日本を抜いてしまい、死亡者数は日本の3倍を超えました(ダイアモンド・プリンセスの数字を除く)。911の時もそうでしたが、アメリカは本土を攻撃されると、慣れていないので、動揺してしまう嫌いがあります。

米長期金利は大きく下げ、このままだと遂にアメリカでもマイナス金利になってしまう、と云うこともあるかも知れません。アメリカは保険でカバーされていない個人も大勢いるし、日本と違って個人負担の医療コストが高いので、死亡者数はもっともっと増えるかも知れません。そうなると国民皆保険を唱えるサンダースなんかに風が吹き、これまた金融市場にはとても寒い状況になりかねません。そんな諸々のことが起こって、マーケットは激動です。

アメリカが落ち着くまで、それは新型コロナウイルスの感染が落ち着くか、或いはこれは季節性の風邪だとアメリカ社会が割り切るか、そうならないと、暫くは今の振動は止まらないかも知れません。しかし必ず止まります。そしてその時に、眼前には価格のこなれた宝の山のような投資対象が溢れている筈です。

なんで”風邪”なのにここまで世界はガタガタになっているのか。もしかしたら新型コロナウイルスは原因ではなく、きっかけだっただけなのかも知れません。レバレッジが効きすぎた状況、将来の利益を読み込みすぎた株価形成、そして中国への過度の依存。これらが全て、新型コロナウイルスをきっかけとして、大きな調整をしているのかも知れません。そして調整が終わった時に、先に書いたように投資のチャンスがあるでしょう。前向きに考えていきたいと思います。